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第551回日経ミューズサロン ライナー・キュッヒル ヴァイオリン・リサイタル

第551回日経ミューズサロン ライナー・キュッヒル ヴァイオリン・リサイタル
<10月15日 東京・日経ホール> ひと月に1回のペースで、国内外で活躍する一流の演奏家によるコンサートを開催している日経ミューズサロンは、ありとあらゆる正統派クラシックからタンゴ、ジャズまでかなり幅広いラインナップを取りそろえた根強い人気のあるコンサート・シリーズだ。
 今回ご紹介するのは、10月に登場するライナー・キュッヒルのヴァイオリン・リサイタル。ライナー・キュッヒルはウィーン・フィルのコンサートマスターを45年間務め、世界的に有名な名手である。日本との関わりも深く、2010年には旭日中綬章を受賞。最近ではNHK交響楽団や宮崎国際音楽祭管弦楽団などのコンサートマスターとして、日本の公演にも数多く登場している。
 今回のコンサートでは、ウィーンで活躍したベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタから第8番と第9番、第10番が取り上げられている。30代に差しかかったばかりのベートーヴェンが、爆発的な創作力を発揮していたときに書かれた第8番、第9番。ヴァイオリン・ソナタというジャンルを完成させたともいわれる作品である。そして40代となり、創作意欲の減退が始まるころに書かれた第10番。
 ところで読者のみなさまはベートーヴェンの死後、彼の隠し戸棚から発見された3通の手紙をご存じだろうか? この手紙こそが世に有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」と「不滅の恋人への手紙」であるが、前者はヴァイオリン・ソナタ第8番と第9番が書かれたはざまの時期にしたためられ、そして後者はヴァイオリン・ソナタ第10番を作曲していたころのものとされている。いずれもベートーヴェンが困難に直面し、それを乗り越えようとしていた、いわば人生のターニングポイントにあたる。
 キュッヒル氏のヴァイオリンから漂うウィーンの薫りとともに、ベートーヴェンの人生の光と陰に想いを馳せる。そんな楽しみ方もできる絶妙な選曲は、圧倒的な経験と演奏力があってこそ実現可能なプログラムでもある。この貴重な機会をお聴き逃しなく!

<文・尾崎羽奈>
公演名 第551回日経ミューズサロン ライナー・キュッヒル ヴァイオリン・リサイタル
日時 10月15日(火) 18:30開演(18:00開場)
会場 日経ホール
出演 [ヴァイオリン]ライナー・キュッヒル
[ピアノ]加藤洋之
プログラム 【オール・ベートーヴェン・プログラム】
ヴァイオリン・ソナタ 第8番 ト長調 Op.30-3
ヴァイオリン・ソナタ 第10番 ト長調 Op.96
ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 Op.47 《クロイツェル・ソナタ》
チケット 全席指定:4,000円 高校生以下2,500円
お問い合わせ 日経公演事務局
TEL:03-5227-4227(平日10:00~18:00)

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