<9月21日 東京芸術劇場コンサートホール ほか> 指揮者人生最後のオペラに選んだのは最愛なる“青春の曲”だった!2024年末の引退を宣言している指揮者・井上道義は、同年に没後100年となるプッチーニの歌劇《ラ・ボエーム》を、深い信頼を寄せる舞踊家・演出家の森山開次とコラボレーションすることに決め、日本&海外混成による新進気鋭の歌手陣とともに特別なステージを作り上げる。終焉にして全国を巡る“最愛のオペラ”の幕開けとあれば、目撃しないわけにはいかない!
多くの記憶に残る名演でタクトを振ってきた井上は、2014年4月、大病に倒れるも、10月には復帰。その後は、全国共同制作オペラの《フィガロの結婚〜庭師は見た!〜》《ドン・ジョバンニ》などで、総監督として既成概念にとらわれない唯一無二の舞台を作り上げてきた。齢を重ねるとともに先行きに不安を感じるのは世の常だが、復帰から10年後の今年、「知性と愛とユーモアを駆使するには体力が必要」(※1)としてきっぱり“引き際”を決めた。最後のオペラとして「人間の純粋な感情だけが描かれていて、“青春”そのもの。もう決して手に入らない青春への憧れがこの作品を選ばせました」(※2) と語る言葉に、井上ならではの哲学が見える。
方や、2019年の全国共同制作オペラ《ドン・ジョバンニ》で井上と初共演、2023年のバレエ音楽《火の鳥》でも共演し、今回最後のコラボレーションとなる《ラ・ボエーム》で演出・振付・美術・衣裳を担当する森山。ステージ空間を司り、観衆の視覚に響く世界の構築において、井上が寄せる絶大な信頼を一身に引き受ける。大げさな動作や演技を振り付けるのではなく、「歌手自身の出で立ちや仕草、たたずまいを丁寧に描きたい」(※3)という思いで、歌手の身体性を舞台上に表出させるという森山の手法は、いわゆる「オペラの演出」とはまったく違う人物像を浮かび上がらせるに違いない。
キャスト陣には200人以上の応募者の中から井上と森山がオーディションで選び抜いた国内外の実力派が名を連ね、主要な役については、ロドルフォとマルチェッロ役以外はダブルキャストが予定されている。この東京公演を皮切りに展開する全国の7都市8公演では、それぞれの地域のオーケストラ、合唱団が登場するのも、井上らしい采配だろう。
あらためて、「ボエーム」とは“ボヘミアン”のフランス語で、自由に生きることに憧れた19世紀パリの芸術家の卵たちのこと。次の世代に手渡すべきことを考え続ける井上が、若き森山とともに示す渾身の“芸術の灯火”に、注目したい。
※1 公演チラシより
※2,3 特設サイト[特別対談]より
<文・小畑智恵>
多くの記憶に残る名演でタクトを振ってきた井上は、2014年4月、大病に倒れるも、10月には復帰。その後は、全国共同制作オペラの《フィガロの結婚〜庭師は見た!〜》《ドン・ジョバンニ》などで、総監督として既成概念にとらわれない唯一無二の舞台を作り上げてきた。齢を重ねるとともに先行きに不安を感じるのは世の常だが、復帰から10年後の今年、「知性と愛とユーモアを駆使するには体力が必要」(※1)としてきっぱり“引き際”を決めた。最後のオペラとして「人間の純粋な感情だけが描かれていて、“青春”そのもの。もう決して手に入らない青春への憧れがこの作品を選ばせました」(※2) と語る言葉に、井上ならではの哲学が見える。
方や、2019年の全国共同制作オペラ《ドン・ジョバンニ》で井上と初共演、2023年のバレエ音楽《火の鳥》でも共演し、今回最後のコラボレーションとなる《ラ・ボエーム》で演出・振付・美術・衣裳を担当する森山。ステージ空間を司り、観衆の視覚に響く世界の構築において、井上が寄せる絶大な信頼を一身に引き受ける。大げさな動作や演技を振り付けるのではなく、「歌手自身の出で立ちや仕草、たたずまいを丁寧に描きたい」(※3)という思いで、歌手の身体性を舞台上に表出させるという森山の手法は、いわゆる「オペラの演出」とはまったく違う人物像を浮かび上がらせるに違いない。
キャスト陣には200人以上の応募者の中から井上と森山がオーディションで選び抜いた国内外の実力派が名を連ね、主要な役については、ロドルフォとマルチェッロ役以外はダブルキャストが予定されている。この東京公演を皮切りに展開する全国の7都市8公演では、それぞれの地域のオーケストラ、合唱団が登場するのも、井上らしい采配だろう。
あらためて、「ボエーム」とは“ボヘミアン”のフランス語で、自由に生きることに憧れた19世紀パリの芸術家の卵たちのこと。次の世代に手渡すべきことを考え続ける井上が、若き森山とともに示す渾身の“芸術の灯火”に、注目したい。
※1 公演チラシより
※2,3 特設サイト[特別対談]より
<文・小畑智恵>
公演名 | 2024年度 全国共同制作オペラ プッチーニ 歌劇「ラ・ボエーム」(東京公演) |
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日時 | 9月21日(土) 14:00開演 9月23日(月・休) 14:00開演 |
会場 | 東京芸術劇場 コンサートホール |
出演 | [指揮]井上道義 [演出・振付・美術・衣裳]森山開次 [出演] ミミ:ルザン・マンタシャン ロドルフォ:工藤和真 ムゼッタ:中川郁文 マルチェッロ:池内響 コッリーネ:スタニスラフ・ヴォロビョフ ショナール:高橋洋介 ベノア:晴雅彦 アルチンドロ:仲田尋一 パルピニョール:谷口耕平 [ダンサー]梶田留以、水島晃太郎、南帆乃佳、小川莉伯 [合唱]ザ・オペラ・クワイア、世田谷ジュニア合唱団 [管弦楽]読売日本交響楽団 [バンダ]バンダ・ペル・ラ・ボエーム |
プログラム | プッチーニ:歌劇《ラ・ボエーム》 全4幕〈原語(イタリア語)上演/日本語・英語字幕付〉 |
チケット | 全席指定:SS席18,000円 S席16,000円 A席14,000円 B席11,000円 C席8,000円 D席5,000円※完売 高校生以下1,000円 |
お問い合わせ | 東京芸術劇場ボックスオフィス TEL:0570-010-296(休館日を除く10:00~19:00) |
公演名 | 2024年度 全国共同制作オペラ プッチーニ 歌劇「ラ・ボエーム」(名取公演) |
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日時 | 9月29日(日) 14:00開演 |
会場 | 名取市文化会館 大ホール |
出演 | [指揮]井上道義 [演出・振付・美術・衣裳]森山開次 [出演] ミミ:ルザン・マンタシャン ロドルフォ:工藤和真 ムゼッタ:中川郁文 マルチェッロ:池内響 コッリーネ:スタニスラフ・ヴォロビョフ ショナール:高橋洋介 ベノア:晴雅彦 アルチンドロ:仲田尋一 パルピニョール:谷口耕平 [ダンサー]梶田留以、水島晃太郎、南帆乃佳、小川莉伯 [合唱]ザ・オペラ・クワイア、仙台オペラ協会ボエーム合唱団、NHK仙台少年少女合唱隊、宮城ボエーム児童合唱団 [管弦楽]仙台フィルハーモニー管弦楽団 [バンダ]バンダ・ペル・ラ・ボエーム |
プログラム | プッチーニ:歌劇《ラ・ボエーム》 全4幕〈原語(イタリア語)上演/日本語・英語字幕付〉 |
チケット | 全席指定:S席11,000円 A席8,500円 B席6,500円※完売 その他割引あり |
お問い合わせ | 名取市文化会館 TEL:022-384-8900(9:00〜18:00※第1・3火曜を除く) |
公演名 | 2024年度 全国共同制作オペラ プッチーニ 歌劇「ラ・ボエーム」(京都公演) |
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日時 | 10月6日(日) 14:00開演 |
会場 | ロームシアター京都 メインホール |
出演 | [指揮]井上道義 [演出・振付・美術・衣裳]森山開次 [出演] ミミ:ルザン・マンタシャン ロドルフォ:工藤和真 ムゼッタ:中川郁文 マルチェッロ:池内響 コッリーネ:スタニスラフ・ヴォロビョフ ショナール:高橋洋介 ベノア:晴雅彦 アルチンドロ:仲田尋一 パルピニョール:谷口耕平 [ダンサー]梶田留以、水島晃太郎、南帆乃佳、小川莉伯 [合唱]ザ・オペラ・クワイア、きょうと+ひょうごプロデュースオペラ合唱団、 京都市少年合唱団 [管弦楽]京都市交響楽団 [バンダ]バンダ・ペル・ラ・ボエーム |
プログラム | プッチーニ:歌劇《ラ・ボエーム》 全4幕〈原語(イタリア語)上演/日本語・英語字幕付〉 |
チケット | 全席指定:SS席13,000円 S席11,000円 A席8,000円 B席6,000円※残席僅少 C席4,000円※完売 D席3,000円※完売 ユース(25歳以下)S席5,000円 その他割引あり |
お問い合わせ | ロームシアター京都チケットカウンター TEL:075-746-3201(10:00〜17:00 ※臨時休館日等により変更の場合あり) |
公演名 | 2024年度 全国共同制作オペラ プッチーニ 歌劇「ラ・ボエーム」(兵庫公演) |
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日時 | 10月12日(土) 14:00開演 |
会場 | 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール |
出演 | [指揮]井上道義 [演出・振付・美術・衣裳]森山開次 [出演] ミミ:髙橋絵理 ロドルフォ:工藤和真 ムゼッタ:イローナ・レヴォルスカヤ マルチェッロ:池内響 コッリーネ:杉尾真吾 ショナール:ヴィタリ・ユシュマノフ ベノア:晴雅彦 アルチンドロ:仲田尋一 パルピニョール:谷口耕平 [ダンサー]梶田留以、水島晃太郎、南帆乃佳、小川莉伯 [合唱]ザ・オペラ・クワイア、きょうと+ひょうごプロデュースオペラ合唱団、 三田少年少女合唱団 [管弦楽]兵庫芸術文化センター管弦楽団 [バンダ]バンダ・ペル・ラ・ボエーム |
プログラム | プッチーニ:歌劇《ラ・ボエーム》 全4幕〈原語(イタリア語)上演/日本語・英語字幕付〉 |
チケット | 全席指定:A席13,000円※完売 B席10,000円※完売 C席8,000円※完売 D席6,000円※完売 E席3,000円※完売 |
お問い合わせ | 芸術文化センターチケットオフィス TEL:0798-68-0255(月休※祝日の場合翌日 10:00〜17:00) |
公演名 | 2024年度 全国共同制作オペラ プッチーニ 歌劇「ラ・ボエーム」(熊本公演) |
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日時 | 10月19日(土) 14:00開演 |
会場 | 熊本県立劇場 演劇ホール |
出演 | [指揮]井上道義 [演出・振付・美術・衣裳]森山開次 [出演] ミミ:髙橋絵理 ロドルフォ:工藤和真 ムゼッタ:イローナ・レヴォルスカヤ マルチェッロ:池内響 コッリーネ:杉尾真吾 ショナール:ヴィタリ・ユシュマノフ ベノア:晴雅彦 アルチンドロ:仲田尋一 パルピニョール:谷口耕平 [ダンサー]梶田留以、水島晃太郎、南帆乃佳、小川莉伯 [合唱]ザ・オペラ・クワイア、ラスカーラ・オペラ合唱団、NHK熊本児童合唱団 [管弦楽]九州交響楽団 [バンダ]バンダ・ペル・ラ・ボエーム |
プログラム | プッチーニ:歌劇《ラ・ボエーム》 全4幕〈原語(イタリア語)上演/日本語・英語字幕付〉 |
チケット | 全席指定:S席12,000円 A席10,000円 B席8,000円 C席6,000円 その他割引あり |
お問い合わせ | 熊本県立劇場 TEL:096-363-2233(9:00~19:00) |
公演名 | 2024年度 全国共同制作オペラ プッチーニ 歌劇「ラ・ボエーム」(金沢公演) |
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日時 | 10月26日(土) 14:00開演 |
会場 | 金沢歌劇座 |
出演 | [指揮]井上道義 [演出・振付・美術・衣裳]森山開次 [出演] ミミ:髙橋絵理 ロドルフォ:工藤和真 ムゼッタ:イローナ・レヴォルスカヤ マルチェッロ:池内響 コッリーネ:杉尾真吾 ショナール:ヴィタリ・ユシュマノフ ベノア:晴雅彦 アルチンドロ:仲田尋一 パルピニョール:谷口耕平 [ダンサー]梶田留以、水島晃太郎、南帆乃佳、小川莉伯 [合唱]ザ・オペラ・クワイア、金沢オペラ合唱団、金沢オペラ児童合唱団 [管弦楽]オーケストラ・アンサンブル金沢 [バンダ]バンダ・ペル・ラ・ボエーム |
プログラム | プッチーニ:歌劇《ラ・ボエーム》 全4幕〈原語(イタリア語)上演/日本語・英語字幕付〉 |
チケット | 全席指定:SS席11,000円 S席8,000円 A席6,000円 B席3,000円 その他割引あり |
お問い合わせ | 公益財団法人金沢芸術創造財団 TEL:076-223-9898(平日9:00~17:00) 公益財団法人石川県音楽文化振興事業団 TEL:076-232-0171 |
公演名 | 2024年度 全国共同制作オペラ プッチーニ 歌劇「ラ・ボエーム」(川崎公演) |
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日時 | 11月2日(土) 14:00開演 |
会場 | ミューザ川崎シンフォニーホール |
出演 | [指揮]井上道義 [演出・振付・美術・衣裳]森山開次 [出演] ミミ:髙橋絵理 ロドルフォ:工藤和真 ムゼッタ:イローナ・レヴォルスカヤ マルチェッロ:池内響 コッリーネ:杉尾真吾 ショナール:ヴィタリ・ユシュマノフ ベノア:晴雅彦 アルチンドロ:仲田尋一 パルピニョール:谷口耕平 [ダンサー]梶田留以、水島晃太郎、南帆乃佳、小川莉伯 [合唱] ザ・オペラ・クワイア、世田谷ジュニア合唱団 [管弦楽]東京交響楽団 [バンダ]バンダ・ペル・ラ・ボエーム |
プログラム | プッチーニ:歌劇《ラ・ボエーム》 全4幕〈原語(イタリア語)上演/日本語・英語字幕付〉 |
チケット | 全席指定:S席17,000円※完売 A席15,000円 B席12,000円 C席9,000円※完売 |
お問い合わせ | ミューザ川崎シンフォニーホールチケットセンター TEL:044-520-0200(10:00~18:00) |