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河村尚子 ピアノ・リサイタル

デビュー20周年特別プログラム

●このコンサートは終了しました

河村尚子 ピアノ・リサイタル
<9月30日 東京・サントリーホール> 日本で生まれ、ドイツで育ち、ハノーファー国立音楽大学在学中にミュンヘン国際音楽コンクール第2位、クララ・ハスキル国際音楽コンクールで優勝を果たした河村尚子は、ドイツを拠点に世界各国で大活躍を続けている。
 デビュー20周年という節目の年に、生まれ故郷の日本でリサイタルを開催するにあたり、河村は特別なプログラムを組んだ。J.S.バッハ作曲、ブゾーニ編曲による《シャコンヌ》は、ヴァイオリン独奏曲の最高傑作をピアノ独奏曲の珠玉の名品へとつくりかえた、音楽史における「編曲」のすばらしい成功例である。プロコフィエフのピアノ・ソナタ第7番《戦争ソナタ》は、第二次世界大戦の真っただ中に書かれた作品で、近年では第2楽章におけるシューマンの《リーダークライス》の引用に注目が集まっている。プログラムの後半ではショパンの作品に焦点を当てる。《即興曲》第3番 変ト長調 Op.51に続いて披露されるのは、ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op.58だ。その旋律の美しさと堂々たるスケール感で、絶大な人気を誇る名曲である。
 本公演で注目すべき点がもうひとつ。プログラムの前半に披露される、河村による委嘱を受けて書かれた岸野未利加の新曲《単彩の庭 Ⅸ》だ。2011年から書き続けている “Monochromer Garden” シリーズの第9作にあたり、日本庭園の作庭過程や、作庭師の精神から着想を得て書かれたものであると岸野は語っている。
 戦地から陸続きであるドイツに暮らす河村が、平和の日を待ち遠しく思いつつ舞台に立つ本公演は、実は彼女にとって初のサントリーホールでのリサイタル。選りすぐりの名曲とともに、これまでの20年、そして次の20年に想いを寄せながら存分に河村の演奏を楽しんでほしい。
 なお、本公演は文化庁の「劇場・音楽堂等における子供舞台芸術鑑賞体験支援事業」の対象公演に指定されており、公演当日に小学校1年生~18歳以下の方は入場無料となる。後日Googleフォームにて応募受付が開始されるので、ぜひ、こまめな情報チェックを!

<文・加藤新平>
振り返れば20年という時間が超高速列車のようなスピードで過ぎていった。その間、次のステップへの道しるべとなるかけがいのない出会いと演奏会、公演後の幸せな笑顔と共感し合う感動の涙、どんな時も私を見守ってくれる人々。これらが満員電車のようにぎゅっと詰まっているということを、東京オペラシティでデビューしたばかりの私には想像すらできなかっただろう。 大都市の人混みにも今は大分慣れ、故郷の日本で演奏できる喜びと感謝の気持ちを毎回噛み締めている。各地に音響の素晴らしいホールがあり、他国とは比べ物にならない程の優秀なピアノ技術師が集まっている。その上に、クラシック音楽が好きでたまらない聴衆が興味津々で待っていてくれる日本の様な国が、世界のどこにあるだろうか? ドイツ在住の私は日本で生まれ、ドイツで育ち、日本と東欧の先生方に師事してきた。この様な国際的な環境に恵まれ、音楽を通して刺激とインスピレーションを受けながら毎日成長していける事を心より有難く感じている。 これからも精進し続けていければ、どんなに幸せなことであろうか。あわせて、皆様に変わらぬお付き合いを願う次第だ。 河村尚子
公演名 河村尚子 ピアノ・リサイタル
デビュー20周年特別プログラム
日時 9月30日(月) 19:00開演(18:20開場)
会場 サントリーホール 大ホール
出演 [ピアノ]河村尚子
プログラム J.S.バッハ/F.ブゾーニ:シャコンヌ BWV1004
岸野末利加:単彩の庭 Ⅸ(河村尚子委嘱作品)
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番《戦争ソナタ》 変ロ長調 Op.83
ショパン:即興曲第3番 変ト長調 Op.51、ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58
チケット 全席指定:S席6,000円 A席5,000円 B席4,000円
お問い合わせ ジャパン・アーツぴあ
TEL:0570-00-1212

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