＜5月26日　りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館＞　映画音楽界のレジェンド、ジョン・ウィリアムズ。1960年代にテレビシリーズの劇音楽の作曲をはじめ、やがて映画界に進出。早くも71年には《屋根の上のバイオリン弾き》でアカデミー編曲賞を受賞し、以後現在までに53回ノミネートされ、計5回の受賞を果たしている。
　その作品群は映画「スター・ウォーズ」をはじめ、誰もが一度は観たことがあり、観ていなくても曲を聴けば、耳に馴染みのあるものばかりだ。また御年91歳にして、指揮者としても現役で活動中。昨年も来日し、セイジ・オザワ 松本フェスティバルで自作を指揮して聴衆を魅了した。まさに生きた伝説といえるだろう。
　「ジョン・ウィリアムズ大作戦」と題した今回のコンサートには、そんな彼の音楽の魅力が詰め込まれている。映画本編に先だち空を照らすサーチライトのバックに流れる《20世紀フォックス・ファンファーレ》にはじまり、映画「スーパーマン」より《マーチ》、映画「ジョーズ」より《テーマ》、映画「E.T.」からは月影を子どもたちの自転車が横切るシーンでおなじみの《フライング・テーマ》と、息をもつかせぬラインナップだ。
　続いて映画「ハリー・ポッター」シリーズの代表的なナンバー、映画「ジュラシック・パーク」や映画「シンドラーのリスト」など、ヒット作の名曲は尽きない。そしてフィナーレを飾るのは、極めつけの《映画「スター・ウォーズ」組曲》。まさにジョン・ウィリアムズ満喫のプログラムだ。
　指揮は今、もっとも期待されている若手のひとり、角田鋼亮。演奏は、新しい舞台音楽の演奏を目的に、東宝交響楽団として設立された歴史を持つ東京交響楽団。華やかな映画音楽にぴったりの顔合わせだ。

＜文・小出和明＞