＜1月27日　大阪・ザ・シンフォニーホール＞　ホール全体がパイプオルガンの荘厳で華麗な響きと、きらびやかなプロジェクションマッピングにつつまれる大人気のシリーズが、新年早々に集大成となる「超絶シリーズ」を展開する。
　ホール正面に堂々たる姿を誇るスイス・クイーン社製のパイプオルガンの響きを、クラシック音楽以外のジャンルで楽しんでほしいという思いからはじまったこのシリーズ。ブクステフーデ国際オルガンコンクールで日本人初優勝者等の受賞歴を持つ実力派にして、ザ・シンフォニーホールのオルガンを知り抜いた大木麻理が演奏する。
　これまでのシリーズで再演を望む声が多かった作品を中心に組んだプログラムは贅沢きわまりない。壮大なドラマを予告するかのような重厚な響きが印象的なミュージカル《オペラ座の怪人》で幕を開けると、深く伸びやかなメロディーが美しい愛の物語をつむぐ《美女と野獣》、アルプスの雄大な景色と家族愛を響かせる《サウンド・オブ・ミュージック》へと続く。さらに、印象的なフレーズ、躍動感あふれるメロディーが長く人々に愛されている《ボヘミアン・ラプソディ》《ダンシング・クイーン》など。そしてラストは無限の宇宙の広さをダイナミックに描き出す《スター・ウォーズ》が“超絶すぎる世界”を締めくくる。
　1曲ごとに出現する多様な世界にまぎれ込むような60分ノンストップの体験は、これまでに鑑賞した方も、はじめて会場に足を運ぶ方も存分に満足、興奮するに違いない。

＜文・小畑智恵＞