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<2月17日 岩手・大船渡市民文化会館> 2012年にヴァイオリニストの諏訪内晶子が自ら企画創設し、芸術監督も務める『国際音楽祭NIPPON』。生まれ育ち、音楽家としての礎となる教育を与えてくれた日本に恩返しをしたいという思いのもと、演奏だけにとどまらない積極的な創造を展開する場として立ち上げられた。
同音楽祭は第1回以来、東京・名古屋といった都市部のほか、東日本大震災の被災地を公演地に加え、文化的復興を願い、演奏を続けてきた。ここにも“ふるさと・日本”への思いがあふれている。第8回を迎える今年は、岩手県大船渡市で室内楽の演奏会を催す。
プログラムには今回のテーマであるウィーンにちなんだ作品が取り上げられている。冒頭は新ウィーン楽派のベルクによる《ヴァイオリン、クラリネットとピアノのためのアダージョ》。20世紀初頭の、いわゆる無調性の作品だが、現代音楽の難解さは薄い。むしろ静謐(せいひつ)な祈りのような音の流れが、胸に沁みる。
続くコルンゴルトはウィーンでの活動の後、米国に渡って映画音楽作曲家となった人物。このピアノ三重奏曲 二長調Op.1は13~14歳のごろの作品で、早熟の天才のひらめきに満ちている。一般的には馴染みの薄い作曲家だが、知っておいて損はない。入門の1曲として最適といえるだろう。
そして最後は、ウィーンを中心にヨーロッパ中を魅了したモーツァルト。室内楽の中でも人気の高いクラリネット五重奏曲イ長調を、諏訪内が絶大な信頼を寄せる演奏家たちと披露してくれる。
年明け早々、大きな震災に見舞われた北陸地方にも思いを寄せつつ、音楽の力を感じ取りたい。
<文・小出和明>
同音楽祭は第1回以来、東京・名古屋といった都市部のほか、東日本大震災の被災地を公演地に加え、文化的復興を願い、演奏を続けてきた。ここにも“ふるさと・日本”への思いがあふれている。第8回を迎える今年は、岩手県大船渡市で室内楽の演奏会を催す。
プログラムには今回のテーマであるウィーンにちなんだ作品が取り上げられている。冒頭は新ウィーン楽派のベルクによる《ヴァイオリン、クラリネットとピアノのためのアダージョ》。20世紀初頭の、いわゆる無調性の作品だが、現代音楽の難解さは薄い。むしろ静謐(せいひつ)な祈りのような音の流れが、胸に沁みる。
続くコルンゴルトはウィーンでの活動の後、米国に渡って映画音楽作曲家となった人物。このピアノ三重奏曲 二長調Op.1は13~14歳のごろの作品で、早熟の天才のひらめきに満ちている。一般的には馴染みの薄い作曲家だが、知っておいて損はない。入門の1曲として最適といえるだろう。
そして最後は、ウィーンを中心にヨーロッパ中を魅了したモーツァルト。室内楽の中でも人気の高いクラリネット五重奏曲イ長調を、諏訪内が絶大な信頼を寄せる演奏家たちと披露してくれる。
年明け早々、大きな震災に見舞われた北陸地方にも思いを寄せつつ、音楽の力を感じ取りたい。
<文・小出和明>
公演名 | 〜諏訪内晶子&フレンズ〜 コンサート in 大船渡 |
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日時 | 2月17日(土) 14:00開演(13:30開場) |
会場 | 大船渡市民文化会館 リアスホール |
出演 | [ヴァイオリン]諏訪内晶子 [ヴァイオリン]ベンジャミン・シュミット [ヴィオラ]鈴木康浩 [チェロ]イェンス=ペーター・マインツ [クラリネット]ポール・メイエ [ピアノ]秋元孝介 |
プログラム | ベルク:ヴァイオリン・クラリネットとピアノのためのアダージョ コルンゴルト:ピアノ三重奏曲 二長調 Op.1 モーツァルト:クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581 |
チケット | 全席指定:2,000円 |
お問い合わせ | 大船渡市民文化会館 リアスホール TEL:0192-26-4478 |