<7月22日~8月11日 神奈川・ミューザ川崎シンフォニーホール ほか> 「音楽のまち・かわさき」の夏の風物詩といえば……フェスタサマーミューザKAWASAKI! 2005年に始まった、クラシック音楽の「新しい聴き方・楽しみ方」を提案する意欲的な取り組みで知られる真夏のクラシック音楽祭は、毎年3万人が訪れる一大イベントへと成長した。2021年にはコロナ禍におけるレジリエンスな取り組みが評価され、第33回ミュージック・ペンクラブ音楽賞「功労賞」を受賞した。
今年のサマーミューザは「原点回帰」を掲げ、一期一会の音楽をライヴで楽しむという喜びを柱に据えている。合言葉は「お待ちどうサマー♪」。しばらく遠ざかっていた「お祭り感」が戻ってくる。
サマーミューザの最大の特徴は、なんといっても首都圏のオーケストラの“聴き比べ”だろう。今年はミューザをフランチャイズとする東京交響楽団をはじめ、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、東京都交響楽団、NHK交響楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、読売日本交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団が川崎に集結し、さらに山形からは山形交響楽団、大阪からは日本センチュリー交響楽団も登場する。
7月22日(土)、東京交響楽団による
「オープニングコンサート」でタクトを執るのは、音楽監督のジョナサン・ノット。チャイコフスキーの交響曲第3番《ポーランド》と交響曲第4番でサマーミューザが幕を開ける。「チャイ4」といえば、エネルギッシュなリズムが印象的な名曲だが、「チャイ3」を生で聴いた経験のある方は意外と少ないのではないだろうか。チャイコフスキーの交響曲作品で唯一、長調が主調の作品でありながら、葬送行進曲で開始され、五楽章形式、最終楽章がポロネーズ……と、6曲あるチャイコフスキーの交響曲の中でもとりわけ独特な作品だ。
7月23日(日)は
「サマーナイト・ジャズ」。「サマーミューザ×ピアノ」と題した企画の第1弾でもある。この度ミューザのジャズ部門・ホールアドバイザーに就任した、ピアニスト・ヴォーカリスト・作編曲家として活躍する宮本貴奈のもとに、ベースのパット・グリン、ドラムスのデニス・フレーゼ、そしてゲストにスーパーブラススターズ(エリック・ミヤシロ、本田雅人、中川英二郎)、ギターの小沼ようすけ、ヴォーカルの八神純子、佐藤竹善、エレクトリック・ヴァイオリンSUGIZOと、超豪華メンバーが集結。ジャズのスタンダード・ナンバーから、今年惜しまれつつこの世を去ったバート・バカラックのトリビュート特集まで、ジャズの魅力を存分に堪能できるプログラムが用意されている。
「サマーミューザ×ピアノ」の第2弾は、7月26日(水)、高関健率いる東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団と、ピアノの横山幸雄のコラボレーション「新時代の先駆者たち~アメリカン・オールスターズ~」だ。ガーシュウィンの《パリのアメリカ人》《ラプソディ・イン・ブルー》、そしてバーンスタインの《ウエスト・サイド物語》から〈シンフォニック・ダンス〉、《ディヴェルティメント》と、アメリカを代表するふたりの作曲家の名曲を楽しめるプログラム。特に《ディヴェルティメント》は、バーンスタインの遊び心満載の作品だ。
昭和音楽大学が誇るホール「テアトロ・ジーリオ・ショウワ」で開催される
「出張サマーミューザ@しんゆり!」からは、7月29日(土)の公演をピックアップ。チェロの横坂源がサン=サーンスのチェロ協奏曲第1番、ピアノの古海行子がラヴェルの《左手のためのピアノ協奏曲》で、熊倉優の指揮する神奈川フィルハーモニー管弦楽団と共演する。2018年のサマーミューザでの鮮烈なN響デビュー以来、久々の登場となる熊倉のタクトからも目が離せない。
子どもたちも楽しめる企画が用意されているのもサマーミューザの特徴。8月5日(土)に開催の
「イッツ・ア・ピアノワールド」は、ロンドンを拠点に活躍する川崎市出身のピアニスト 小川典子が、ライフワークの一環として取り組む子どもたちのためのコンサート。ゲストは2000年生まれの期待の新星、そしてミューザのお膝元である川崎市の昭和音楽大学で学んだ田久保萌夏。2022年にポーランド国立ショパン研究所からNFC賞を授与された田久保は、エルガーの《愛の挨拶》を演奏。そして小川がクライスラー(ラフマニノフ編曲)の《愛の喜び》、ラヴェルの《ソナチネ》第1楽章など、子どもたちにとって親しみやすい作品を披露する。
川崎市といえば、市内にふたつの音楽大学を擁することでも有名だ。
洗足学園音楽大学は、芸術監督・特別教授の秋山和慶が指揮する洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団が、
「バレエとオーケストラで魅せる物語」と題して、洗足学園音楽大学バレエコース、谷桃子バレエ団、東京シティ・バレエ団、牧阿佐美バレヱ団とのコラボレーションにより、ワーグナーの《タンホイザー》より〈序曲〉などを7月25日(火)に演奏する。
「若き音楽家たちが祝う、ラフマニノフ生誕150周年」では、昭和音楽大学管弦楽団とテアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラがタッグを組み、時任康文の指揮のもとモーツァルトの交響曲第32番やラフマニノフの《交響的舞曲》などを8月7日(月)に披露する。
鈴木秀美と山形交響楽団が贈るベートーヴェンとシューベルトや、秋山和慶と日本センチュリー交響楽団が「天下の台所」大阪から運んでくる、ドヴォルザークをはじめとしたクラシックのフルコースなど、まだまだ紹介したい公演は沢山あるが、8月9日(水)、
カーチュン・ウォン率いる日本フィルハーモニー交響楽団がサクソフォン独奏に須川展也を迎えて披露する、菅野祐悟のサクソフォン協奏曲《Mystic Forest》をご紹介して本稿を締めくくりたい。邦人作品をライフワークとし、しかも菅野のファンであることを公言しているカーチュン・ウォンがこの作品をどう仕上げてくるか、大いに期待しようではないか。
(文・加藤新平)
東京交響楽団 オープニングコンサート
ノット新章の予感!チャイコフスキー3&4番
日時 |
7月22日(土) 15:00開演
(14:00開場/14:20~14:40プレトーク) |
会場 |
ミューザ川崎シンフォニーホール |
出演 |
[指揮]ジョナサン・ノット
[管弦楽]東京交響楽団 |
プログラム |
チャイコフスキー:交響曲第3番 ニ長調 Op.29 《ポーランド》
チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調 Op.36 |
チケット |
全席指定:S席6,000円 A席5,000円 B席4,000円(U25各席半額) |
詳細 |
こちらから |
お問い合わせ |
ミューザ川崎シンフォニーホール
TEL:044-520-0200
ミューザ Webチケット |
サマーナイト・ジャズ サマーミューザ×ピアノVol.1
宮本貴奈ホールアドバイザー就任記念スペシャル!
日時 |
7月23日(日) 17:00開演
(16:00開場/16:20~16:40プレコンサート) |
会場 |
ミューザ川崎シンフォニーホール |
出演 |
[ピアノ/ヴォーカル/音楽監督]宮本貴奈
[ベース]パット・グリン
[ドラムス]デニス・フレーゼ
【ゲスト】
[ヴォーカル]八神純子、佐藤竹善 (Sing Like Talking)
[エレクトリック・ヴァイオリン]SUGIZO
[ギター]小沼ようすけ
[トランペット]エリック・ミヤシロ
[サクソフォン&フルート]本田雅人
[トロンボーン]中川英二郎
【プレコンサート】
[ピアノ]中川就登
[サクソフォン&タップ・ダンス]鈴木真明地
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プログラム |
【第1部 宮本貴奈ステージ】
虹の彼方に
二人でお茶を ほか
【第2部 ゲストステージ】
クリスタルの恋人
みずいろの雨
Life on Mars? ほか
【第3部 追悼バート・バカラック特集】
遥かなる影
ニューヨーク・シティ・セレナーデ
雨にぬれても ほか
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チケット |
全席指定:5,000円 U25 1,500円
|
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ミューザ川崎シンフォニーホール
TEL:044-520-0200
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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 サマーミューザ×ピアノVol.2
新時代の先駆者たち~アメリカン・オールスターズ~
日時 |
7月26日(水) 15:00開演
(14:00開場/14:20~14:40プレトーク) |
会場 |
ミューザ川崎シンフォニーホール |
出演 |
[指揮]高関健
[ピアノ]横山幸雄
[管弦楽]東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 |
プログラム |
ガーシュウィン:パリのアメリカ人、ラプソディ・イン・ブルー
バーンスタイン:《ウエスト・サイド物語》より〈シンフォニック・ダンス〉、ディヴェルティメント |
チケット |
全席指定:S席4,000円 A席3,000円 B席2,000円(U25各席半額) |
詳細 |
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ミューザ川崎シンフォニーホール
TEL:044-520-0200
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出張サマーミューザ@しんゆり!
神奈川フィルハーモニー管弦楽団 サマーミューザ×ピアノVol.5
変幻自在!フランスからのハーモニー
日時 |
7月29日(土) 17:00開演(16:15開場) |
会場 |
昭和音楽大学 テアトロ・ジーリオ・ショウワ |
出演 |
[指揮]熊倉優
[チェロ]横坂源
[ピアノ]古海行子
[管弦楽]神奈川フィルハーモニー管弦楽団 |
プログラム |
プーランク:バレエ組曲《牝鹿》
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番 イ短調 Op.33
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲、ボレロ |
チケット |
全席指定:S席5,000円 A席4,000円 B席3,000円(U25各席半額) |
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ミューザ川崎シンフォニーホール
TEL:044-520-0200
ミューザ Webチケット |
こどもフェスタ2023 4歳から入場可能!
イッツ・ア・ピアノワールド
日時 |
8月5日(土) 11:00開演(10:15開場) |
会場 |
ミューザ川崎シンフォニーホール |
出演 |
[ピアノ]小川典子、田久保萌夏(ゲスト出演)* |
プログラム |
エルガー:愛の挨拶
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 op.57 《熱情》より 第1楽章
クライスラー(ラフマニノフ編曲):愛の喜び*
ラヴェル:ソナチネ 嬰ヘ短調 より 第1楽章
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
エルガー:威風堂々
|
チケット |
全席指定:大人1,500円 こども(4歳~中学生)500円 |
詳細 |
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ミューザ川崎シンフォニーホール
TEL:044-520-0200
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洗足学園音楽大学
バレエとオーケストラで魅せる物語
日時 |
7月25日(火) 18:30開演(17:30開場) |
会場 |
ミューザ川崎シンフォニーホール |
出演 |
[指揮]秋山和慶
[バレエ]洗足学園音楽大学バレエコース、谷桃子バレエ団、東京シティ・バレエ団、牧阿佐美バレヱ団
[管弦楽]洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団 |
プログラム |
ワーグナー:オペラ《タンホイザー》より〈序曲〉
ショパン:ロマンティック組曲 ~ピアノ曲による~
ベルリオーズ:劇的交響曲《ロメオとジュリエット》 Op.17より
グノー:オペラ《ファウスト》より |
チケット |
全席指定:S席1,800円 A席1,000円 |
詳細 |
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ミューザ川崎シンフォニーホール
TEL:044-520-0200
ミューザ Webチケット |
昭和音楽大学
若き音楽家たちが祝う、ラフマニノフ生誕150周年
日時 |
8月7日(月) 18:30開演(17:45開場) |
会場 |
ミューザ川崎シンフォニーホール |
出演 |
[指揮]時任康文
[管弦楽]昭和音楽大学管弦楽団、テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ |
プログラム |
モーツァルト:交響曲第32番 ト長調 K.318
フォーレ(ラボー編曲):ドリー組曲 Op.56
ラフマニノフ:交響的舞曲 Op.45 |
チケット |
全席指定:1,500円 |
詳細 |
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ミューザ川崎シンフォニーホール
TEL:044-520-0200
ミューザ Webチケット |
日本フィルハーモニー交響楽団
カーチュン・ウォンの描く『展覧会の絵』
日時 |
8月9日(水) 15:00開演
(14:00開場/14:20~14:40プレトーク) |
会場 |
ミューザ川崎シンフォニーホール |
出演 |
[指揮]カーチュン・ウォン
[サクソフォン]須川展也
[管弦楽]日本フィルハーモニー交響楽団 |
プログラム |
ヴェルディ:歌劇《運命の力》より〈序曲〉
菅野祐悟:サクソフォン協奏曲〈Mystic Forest》
ムソルグスキー(ラヴェル編曲):組曲《展覧会の絵》 |
チケット |
全席指定:S席4,000円 A席3,000円 B席2,000円(U25各席半額) |
詳細 |
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ミューザ川崎シンフォニーホール
TEL:044-520-0200
ミューザ Webチケット |