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百花繚乱 19世紀ヴァイオリン音楽の世界

髙木凜々子が弾く、二人の歴史的名手のヴァイオリン協奏曲
百花繚乱  19世紀ヴァイオリン音楽の世界
<11月16日 東京・Hakuju Hall> みなさまはどんな作曲家の作品がお好きだろうか? ベートーヴェン? モーツァルト? いや、ブラームス、ショパンも格別。通はブルックナーだ。いやいや、バッハこそが至高、などなど。こうした超有名作曲家のかたわらで、控えめでありながらも美しい光を放つ作曲家たちがいる。そんないわゆる「傍流作曲家」に真っ向から切り込むコンサートをご紹介しよう。
 舞台は19世紀。この時代はヴァイオリン音楽においてはまるで百花繚乱のごとく、傑出したヴィルトゥオーゾたちが入り乱れ、一時代を築いていた。彼らはすばらしい音色と技巧で聴衆を興奮の渦に巻き込みながら、その一方で作曲家としても真摯に研鑽と実践を積み、後世に非常に強い影響を与えていったのだ。
 今回取り上げるのは、ルイ・シュポアとヘンリク・ヴィエニャフスキ。ルイ・シュポアは19世紀前半を生きたヴァイオリニストで作曲家。オペラ作曲家としても名高く、指揮棒を初めて使い、現在のクラシック音楽演奏の原型を形作った人物でもある。ベートーヴェンに信頼されたヴァイオリニストであり、作曲家としてはウェーバーやメンデルスゾーンと並び称され、年老いてからはワーグナーを見出した。今では知る人ぞ知る存在になってしまっているが、その作品は抗いがたい魅力を放っている。ヘンリク・ヴィエニャフスキはポーランド出身のヴァイオリニスト。幼いころから類まれな才能を発揮し、ヨーロッパ全土のみならずアメリカでもセンセーションを巻き起こし、パガニーニの再来と呼ばれた。ロシア宮廷にてソリストとして職を得たのもあり、彼の奏法はその後のロシア・ヴァイオリン音楽へ大きな影響を与えた。
 このコンサートを企画した指揮者の茂木大輔氏は、長年こうした「傍流作曲家」の魅力を感じ、企画を温めてきたのだという。「知られざる作曲家やあまり演奏されない作品は総じてつまらない、というのは大きな誤解である」と。今回のコンサートではシュポアの作品からはヴァイオン協奏曲第8番、歌劇《ファウスト》より〈序曲〉、歌劇《イェソンダ》より〈序曲〉、ヴィエニャフスキの作品からはヴァイオン協奏曲第2番、《伝説》が演奏される。ソリストは実力と人気を博す髙木凜々子。オーケストラには茂木大輔氏が信頼を寄せるオケマンたちがずらりと並ぶ。
 音楽漫画家のやまみちゆかによるチラシデザインや2コマ漫画、YouTubeチャンネル「クラシック音楽奇譚」による解説等、耳も目も、そして知的好奇心もくすぐる贅沢な企画である。芸術の秋を楽しむひとときを存分にお過ごしいただきたい。

<文・尾崎羽奈>

【茂木大輔】【髙木凜々子】【東京音楽史管弦楽団】百花繚乱 19世紀ヴァイオリン音楽の世界 コンサート予告編【クラシック音楽奇譚】

公演名 百花繚乱  19世紀ヴァイオリン音楽の世界
髙木凜々子が弾く、二人の歴史的名手のヴァイオリン協奏曲
日時 11月16日(土) 13:30開演(12:30開場)
会場 Hakuju Hall
出演 [企画・指揮・プロデュース]茂木大輔
[ヴァイオリン]髙木凜々子
[管弦楽]東京音楽史管弦楽団
プログラム L.シュポア:歌劇《ファウスト》 Op.60より〈序曲〉、ヴァイオリン協奏曲第8番 イ短調 Op.47 《オペラの様式による》、歌劇《イェソンダ》 Op.63より〈序曲〉
H.ヴィエニャフスキ:ヴァイオリンと管弦楽のための《伝説曲》 Op.17、ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ短調 Op.22
チケット 全席指定:SS席12,000円 S席8,500円
お問い合わせ クライス音楽事務所
TEL:03-6432-4111

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