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<2023年1月29日 神奈川・ミューザ川崎シンフォニーホール> ピアノ協奏曲第2番をはじめ、数多くの名曲を残し、日本人の琴線に触れる旋律と華麗なピアノ書法でクラシック音楽ファンを魅了し続けるセルゲイ・ラフマニノフが、2023年に生誕150周年を迎える。川崎市フランチャイズオーケストラである東京交響楽団は、「祝・ラフマニノフ生誕150周年企画」と題して、2023‐2024シーズンにはラフマニノフを記念した企画を実施する。
その第1弾となるのが、第183回を迎えた「名曲全集」だ。企画の先陣を切る作品は、《パガニーニの主題による狂詩曲》Op.43。ラフマニノフのピアノとオーケストラのための作品の中では、協奏曲と並び立つ人気を誇る。パガニーニの《24のカプリース》第24番〈主題と変奏〉はヴァイオリン独奏のための変奏曲であるが、この主題はリストやブラームスをはじめ、多くの作曲家を魅了してきた。ラフマニノフもまた、リストやブラームスと同様に「パガニーニの主題」に魅せられた1人であり、この《パガニーニの主題による狂詩曲》は、ラフマニノフの作曲技術の粋が詰まっている。とりわけ、甘美な雰囲気で人気の高い第18変奏は、主題を上下さかさまにした「反行形」を用いた高度な技法が用いられている。
ソリストは、チャイコフスキー国際コンクールピアノ部門で女性初、日本人初の第1位に輝いた上原彩子。ロシア音楽を得意とする上原の演奏に期待したい。本公演が第1弾となるラフマニノフ記念企画、第2弾は2023年2月5日(日)の第184回「名曲全集」で開催される。金子三勇士をソリストに迎えてピアノ協奏曲第2番をお届けする。プログラムの後半では、指揮者の大友直人がライフワークのひとつに位置付けている英国音楽から、エドワード・エルガーの交響曲第2番を取り上げる。循環形式を駆使した交響曲第1番とはまた違った、変化に富んだ叙事詩風の構成は、聴く者の耳をとらえて離さない。雄大な旋律と高貴さにあふれた、エルガーの魅力が詰まった傑作をぜひお楽しみあれ。
<文・加藤新平>
公演名 | ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 名曲全集第183回 |
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日時 | 2023年1月29日(日) 14:00開演(13:15開場) |
会場 | ミューザ川崎シンフォニーホール |
出演 | [指揮]大友直人 [ピアノ]上原彩子 [管弦楽]東京交響楽団 |
プログラム | ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43 エルガー:交響曲第2番 変ホ長調 Op.63 |
チケット | 全席指定:S席6,000円 A席5,000円 B席4,000円 C席3,000円 |
お問い合わせ | ミューザ川崎シンフォニーホール TEL:044-520-0200(10:00~18:00) |