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___する音楽会

落合陽一×日本フィル VOL. 4

●このコンサートは終了しました

___する音楽会

<10月13日 東京・東京芸術劇場・>声に出そうとするとなんと読むか迷ってしまうこの意味深な公演タイトル。「テクノロジーによってオーケストラを再構築する」というテーマで、メディアアーティスト落合陽一と日本フィルが2018年から取り組んできたプロジェクトの第4弾がこの度、10月13日に開催される。これまでの公演のタイトルを眺めてみると、このコンサートがいかにチャレンジングで、普通とは少し違うものだということがお分かりいただけるだろう。

これまでの公演から(Vol.3交錯する音楽会) Ⓒ平舘平 落合陽一×日本フィル プロジェクト VOL.1《耳で聴かない音楽会》 VOL.2《変態する音楽会》 VOL.3《耳で聴かない音楽会2019》《交錯する音楽会》
これまでの公演から(Vol.1 耳で聴かない音楽会)Ⓒ山口敦
今回のタイトル《__する音楽会》という公演名には、当初計画していた公演が新型コロナウイルスによって白紙となった様子、そして、そこから新しい演奏会を模索する「試行錯誤」への覚悟が込められている。コロナ禍におけるオーケストラのあり方を模索し、なかでもオンライン鑑賞の新しい魅力を探る音楽会となる。本公演でもライブ鑑賞券とオンライン視聴券が購入可能だ。オンライン観賞を劇場観賞の単なる代替手段ではなく、ホールでの体験と同等の体験を提供することを目指す。通常ライブチケットよりも安価な場合が多いオンラインチケットだが、今回はあえて等価での販売となる。加えて映像は8Kで収録される。今はまだ難しくても、5年後を見据え、その頃には自宅でも8Kが再生できるようになるだろうという想定のもとに、「記録」としての側面も持ち合わせる。

記者会見で落合が語ったこと

記者会見の様子。左から近藤 樹 / ”映像の奏者”、WOW inc. 落合 陽一 / 演出  扇谷 泰朋 / 日本フィルハーモニー交響楽団 ソロ・コンサートマスター  海老原 光 / 指揮 8月19日には、この《__する音楽会》の記者会見が行われた。その中で落合は「オーケストラは、人が集まって行う、"人間の意地"だと思っています。それが難しい環境で、どうオーケストラの未来を作るか?今回の音楽会は、このディスタンスを保たなければならない環境の中でいかにオーケストラを続けていけるか?という挑戦だと捉えています。」と語った。集団で音を響かせるオーケストラの魅力を理解しながらも、状況に合わせて行こうという姿勢がうかがえる。また、本公演でも重要になる映像演出についても、「当初から僕らは、モーツァルトが現代を生きていたら、きっと彼は "映像" も "ひとつのパート" として楽譜を作っただろう、という話をしていました。そうした文脈で、毎回WOWさんと一緒にやらせていただいています。」と話す。決してテクノロジーだけが優先されるのではなく、音楽史の過去と現代を繋ぐ発想から創られるのもこの公演の特徴と言える。  プログラムの全貌は当日まで明かされないことになっている。会見時に発表されたのは、ベートーヴェンの「交響曲第7番」。オーケストラにとっての定番ともいえる、自信をもってお届けできる曲を舞台に上げたい、という強い想いから選ばれた。もう1曲は、ストラヴィンスキーの「兵士の物語」。スペイン風邪の流行時につくられた曲であり、大きな困難の中で、作曲家がどんな想いを込めたのかを感じとれるだろう。今回は、劇をともなわない組曲版で、演奏そのものに焦点をあてた演出となる予定だそう。  さらに、今もっとも注目される作曲家のひとり、藤倉大がコロナ禍のステイホーム期間中に作曲し、注目を集める「Longing from afar」が演奏されることも発表された。舞台上演+世界のオーケストラプレイヤーによるオンライン演奏のハイブリッドの形による初演となる。このオンラインでの演奏には、世界のオーケストラ・プレーヤーの参加を呼び掛けているとのことで、どんな演奏家が登場するかも楽しみにしたい。

それぞれの答えを探しに

「新しい公演の生まれる場」と「オンライン上に生み出された音楽会」のどちらを選んで鑑賞するかは私たちに委ねられている。決めかねる方は、東京芸術劇場コンサートホールで公演を聴いた後、後日のオンライン再配信を観賞しそれぞれを比較してみるのもありかも知れない。 コロナ禍の音楽会のあり方を模索する《__する音楽会》。この空白に、あなたはどんな言葉をあてますか?
公演名 ___する音楽会
日時・会場 2020年10月13日(金)19時00分 東京芸術劇場
料金 オンライン視聴券:¥6,000 コンサート鑑賞券:¥3,500-6,000 クラウドファンディング受付中
詳細 詳細はこちらから
■プロフィール 落合陽一(おちあい・よういち) メディアアーティスト。1987 年生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了(学際情報学府初の早期修了)、博士(学際情報学)。筑波大学デジタルネイチャー開発研究センター センター長、准教授・JST CREST xDiversity プロジェクト研究代表。2015 年 World Technology Award、2016 年 PrixArs Electronica、EU より STARTSPrize を受賞。Laval Virtual Award を 2017 年まで 4 年連続 5 回受賞、2019 年 SXSWCreative Experience ARROW Awards など多数受賞。近著として「デジタルネイチャー(PLANETS)」、「2030 年の世界地図帳(SB クリエイティブ)」、写真集「質量への憧憬(amana)」。「物化する計算機自然と対峙し,質量と映像の間にある憧憬や情念を反芻する」をステートメントに、研究や芸術活動の枠を自由に越境し、探求と表現を継続している。 海老原光(えびはら・ひかる、指揮) 鹿児島生まれ。鹿児島ラ・サール中学校・高等学校、東京芸術大学を卒業、同大学院修了。その後、ハンガリー国立歌劇場にて研鑽を積む。2007 年ロブロ・フォン・マタチッチ国際指揮者コンクールで第 3 位を受賞。指揮を小林研一郎、高階正光、コヴァーチ・ヤーノシュの各氏に師事。2019 年、九州シティフィルハーモニー室内合奏団首席指揮者に就任。これまでに、国内主要オーケストラを指揮し、好評を得ている。また、2012 年、2015 年にクロアチア放送交響楽団の定期公演(ザグレブ)に、2019 年にはゲデレー交響楽団(ハンガリー)に客演し、現地で好評を博した。(オフィシャル・ホ ームページ ) WOW 東京、仙台、ロンドン、サンフランシスコに拠点を置くビジュアルデザインスタジオ。CM やコンセプト映像など、広告における多様な映像表現から、さまざまな空間におけるインスタレーション映像演出、メーカーと共同で開発するユーザーインターフェイスのデザインまで、既存のメディアやカテゴリーにとらわれない、幅広いデザインワークをおこなってい る。(コーポレートサイト) 日本フィルハーモニー交響楽団 1956年に渡邉曉雄を中心に創立。首席指揮者P.インキネン、桂冠指揮者兼芸術顧問A.ラザレフ、桂冠名誉指揮者小林研一郎、正指揮者山田和樹。「オーケストラ・コンサート」、「エデュケーション・プログラム」、「リージョナル・アクティビティ」という三つの柱を中心に、“音楽を通して文化を発信”していく。毎週水曜日夜10時54分放送、BS朝日『Welcomeクラシック』出演中。 (オフィシャル・ホームページ) Twitter@Japanphil

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