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林光メモリアル 東混・八月のまつり45 東京混声合唱団特別定期演奏会

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林光メモリアル 東混・八月のまつり45 東京混声合唱団特別定期演奏会
<8月8日 東京・第一生命ホール> 「トウコン」と聞いて、みなさんは何をイメージされるだろうか。もちろん「東混」こと東京混声合唱団だろう。1956年の創設以来、プロ合唱団として日本の合唱界を牽引するとともに、日本の合唱曲の創作と普及に重点を置き、数多くの委嘱作品を初演してきた、まさに日本の合唱の歴史、そして日本の現代音楽史を語る上で重要な団体である。
 東混の夏の風物詩「八月のまつり」は、林光の代表作《原爆小景》を歌い継ぐことを目的として1980年に開始された。林光といえば、オペラシアターこんにゃく座の座付き作曲家として長年活躍し、オペラ《森は生きている》をはじめとする数々の傑作を世に送ったことで知られているが、その一方で日本の社会と歴史に真摯に向き合い、「社会派」ともいうべき創作活動を展開していた。
 《原爆小景》は、詩人の原民喜(原自身、広島原爆の被爆者である)が1950年に発表した9編からなる構成詩『原爆小景』から、1編を選んで作曲した1952年の作品《永遠のみどり》を出発点とし、東混の二度にわたる委嘱(1958年、1971年)によって合唱組曲として書き上げられた。しかし、核戦争の脅威が高まる中で、合唱組曲《原爆小景》の出発点となった詩「永遠のみどり」への再作曲について林は逡巡(しゅんじゅん)し、真の「完結版」として〈永遠のみどり〉が改めて作曲されたのは、2001年のことであった。無伴奏かつ演奏至難な作品で、現代音楽の技法もふんだんに採り入れられているが、いわゆる「現代音楽」にありがちな難解さを乗り越えて、聴く者の耳と心に迫ってくるものがある作品である。
 本公演で披露される林の作品《宮沢賢治の詩によるソング・アルバム》や《日本抒情歌集》にも要注目。そして、谷川俊太郎の詩に三善晃が作曲した《その日‐August 6‐》は、《原爆小景》と対を成す選曲だ。東混の若きマエストロ、キハラ良尚が林光と三善晃の傑作をどう解釈し、新たな息吹を吹き込んでくれるか、大いに期待したい。

<文・加藤新平>
公演名 林光メモリアル 東混・八月のまつり45 東京混声合唱団特別定期演奏会
日時 8月8日(木) 19:00開演(18:15開場)
会場 第一生命ホール
出演 [指揮]キハラ良尚
[ピアノ]寺嶋陸也
[合唱]東京混声合唱団
プログラム 林光(詩:原民喜):《混声合唱のための原爆小景》より〈水ヲ下サイ(1958)〉、〈日ノ暮レチカク(1971)〉、〈夜(1971)〉、〈永遠(とわ)のみどり(2001)〉
林光 編曲:混声合唱による《日本抒情歌曲集》より〈毬と殿様〉ほか
林光:宮沢賢治の詩によるソング・アルバム《岩手軽便鉄道の一月》より〈序詞〉、〈グランド電柱〉、〈岩手軽便鉄道の一月〉、〈ポラーノの広場のうた〉、〈祈り〉、〈海だべがど〉
三善晃(詩:谷川俊太郎):混声合唱とピアノのための《その日-August6-》
チケット 全席指定:一般前売4,500円 一般当日5,000円 シニア(60歳以上)3,500円 学生1,500円
お問い合わせ 東京混声合唱団事務局
TEL:03-6380-3350(平日10:00~18:00)

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