＜4月5日　東京・日本橋三井ホール＞　クラシックからポップス、ロックまでジャンルにとらわれない活動を展開し、多くの人を魅了し続けてきたヴァイオリニストのNAOTOが、2024年にデビュー20周年を迎える。2005年にEPICレコードよりメジャーデビューを果たして以来、コンスタントにアルバムをリリースし、2022年には通算10枚目となる「Get over it」を発売した。
　宇都宮隆、大黒摩季、世良公則、AI、柚希礼音、押尾コータロー、DEPAPEPEなどとの共演や、作曲家としてテレビ番組やCMへ書き下ろし楽曲の提供など、その活動はソロ活動に、そして演奏家としての活動に留まらない。また、東日本大震災以降、福島県須賀川市の小中学校を定期的に訪問してきた業績が高く評価され、2015年には須賀川市観光牡丹大使に就任している。テレビドラマ『のだめカンタービレ』では、オーケストラメンバーの選考から吹き替え演奏、楽曲提供まで担当したほか、金髪のヴァイオリニスト峰龍太郎の元バンド仲間役で役者としても出演を果たした。
　ジャンルのみならず、演奏家という枠組みも飛び越えて活動しているNAOTOの演奏は、確かなテクニックに裏打ちされつつも、強靭なフィジカルを活かした「魅せる」要素も採り入れていることが特徴だ。
　松本圭司（ピアノ）、伊藤ハルトシ（ギター、チェロ）、須藤満（ベース）、齋藤たかし（ドラム）、大谷舞（ヴァイオリン）をメンバーに迎える本公演のセットリストは本稿執筆時点で未発表であるが、幅広いジャンルの名曲を熱い演奏で楽しめること間違いなし。ブリッジをしながらのヴァイオリン演奏にも期待が高まる。

＜文・住吉亜蘭＞