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<12月11日 栃木・宇都宮市文化会館> 日本を代表するカウンターテナー藤木大地と、日本を代表するギタリスト荘村清志の共演が、この冬、宇都宮で実現する。
日本音楽コンクールの歴史において、カウンターテナーで第1位を獲得した者はいなかった。2012年までは。
藤木大地は、カウンターテナー歌手として初めて、日本音楽コンクールで第1位を獲得し、日本のクラシック音楽界の歴史を大きく変えた。2013年5月にはボローニャ歌劇場開場250周年記念として上演されたグルック作曲《クレーリアの勝利》マンニオ役でヨーロッパデビューを果たし、2017年4月には、ライマン作曲《メデア》ヘロルド役でウィーン国立歌劇場へのデビューを飾った。新国立劇場2020/21シーズンの開幕公演では、ブリテン作曲《夏の夜の夢》にオーベロン役で出演して好評を博した。同年、バッハ・コレギウム・ジャパンとの共演でヘンデル作曲《リナルド》のタイトルロールを務め、その美声で聴衆を魅了した。日本人作曲家への委嘱作品を含めて、バロックから現代音楽まで幅広いレパートリーを持つ藤木は、2021年に3枚目のアルバム「いのちのうた」をリリースするなど、現在、日本を代表する歌手として快進撃を続けている。
9歳よりギターを始めた荘村清志は、1963年に来日した巨匠ナルシソ・イエペスに認められ、翌年よりスペインでイエペスに4年間師事した。1967年よりイタリア各地で演奏活動を展開し、1969年には日本デビュー・リサイタルで高い評価を受けた。1971年、イタリアで開催された世界青少年協会国際フェスティヴァルに日本代表ギタリストとして参加し、この成功によって国際的な評価を確立した。2008年にはビルバオ交響楽団の定期演奏会に出演し、ロドリーゴ作曲《アランフェス協奏曲》を録音。翌年にはビルバオ交響楽団ともに日本ツアーを行った。
1974年にNHK教育テレビ「ギターを弾こう」、2008年には同局「趣味悠々」に講師として出演するなど、ギター愛好者を広げる活動も積極的に展開するほか、1974年に武満徹に《フォリオス》を委嘱するなど、日本人作曲家に多数の作品を委嘱して、日本のギター音楽の発展を支えている。
ともにクラシックから現代音楽まで、幅広いレパートリーを持つ藤木と荘村。本公演の曲目は本稿執筆段階では未発表であるが、様々な時代と国々をめぐる、時間旅行と世界旅行を楽しませてくれることだろう。
<文・加藤新平>
公演名 | プロムナードコンサート2022 No.143 藤木大地&荘村清志デュオ・リサイタル |
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日時 | 12月11日(日) 15:00開演(14:15開場) |
会場 | 宇都宮市文化会館 小ホール |
出演 | [カウンターテナー]藤木大地 [ギター]荘村清志 |
プログラム | ヘンデル:オンブラ・マイ・フ、私を泣かせてください カッチーニ:アマリッリ マルティーニ:愛の喜び ソル:モーツァルトの「魔笛」の主題による変奏曲(ギターソロ) モーツァルト:夕べの想い シューベルト:ます、セレナーデ メンデルスゾーン:歌の翼に 武満徹:小さな空、死んだ男の残したものは ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第5番 アイルランド民謡:庭の千草 ドリーブ:カディスの娘 タレガ:アルハンブラの想い出(ギターソロ) ピアソラ:大いなる理由の砦(La fortezza dei grandi perche)、ニューロメトロ(Neurometro)、忘却(Oblivion)、チェ・タンゴ・チェ(Che tango che) |
チケット | 全席指定:3,500円 |
お問い合わせ | 宇都宮市文化会館 TEL:028-636-2121 |