＜9月15日　長野・松本市音楽文化ホール＞　サクソフォン奏者の上野耕平が、2011年に東京藝術大学の同級生有志と結成した、ぱんだウインドオーケストラ。結成10周年を過ぎた今も、吹奏楽の既成概念を打ち破るような精力的な活動をしている。編成も自由自在で、少人数の室内楽編成では「こぱんだウインズ」と名前を変える。そんなこぱんだウインズが、松本市音楽文化ホールに初登場。吹奏楽やアンサンブルが好きな方におすすめの公演となっている。
　今回のこぱんだウインズは、金管楽器奏者5名にサクソフォンとピアノが加わった編成になっている。サクソフォンはもちろんコンサートマスターの上野耕平。金管楽器のみのアンサンブルともまた違った編成の演奏に、期待が高まる。
　ヘンデルの《水上の音楽》より〈アラ・ホーンパイプ〉は、トランペットとホルンの軽快な掛け合いが魅力の一曲。ほかにも、ガーシュウィンがジャズとクラシックの融合を目指して作曲した《ラプソディー・イン・ブルー》や、美しいハーモニーが堪能できる《アメイジング・グレイス》など、有名な曲も多い。そして、前久保諒が作曲した《PANDASTIC！！》は、ぱんだウインドオーケストラのために書き下ろした、テーマ曲ともいえる曲である。明るく迫力のあるアンサンブルが楽しみである。
　コンサートの前日には、こぱんだウインズのメンバーによる吹奏楽クリニックも実施される。吹奏楽・アンサンブルの魅力を堪能する週末を過ごすのはいかがだろうか。

＜文・山下実紗＞