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<4月15日~17日 兵庫県立芸術文化センター>今回ご紹介するのはオール・プロコフィエフのコンサート。プロコフィエフはロシアに生まれ、アメリカ時代を経て再びソビエト連邦(ロシア)に戻り、近代ロシア音楽を代表する作曲家である。
コンサート1曲目はプロコフィエフの《ヴァイオリン協奏曲第1番》。アメリカ亡命の直前に書かれた作品で、一度聴いたら耳から離れない魅惑的な旋律に始まり、華やかな技巧を駆使した躍動的な部分を挟みつつ、穏やかに曲を閉じる。プロコフィエフの協奏曲作品の中でも最も人気の高い作品である。2曲目は《交響曲第7番》。終戦後、戦中の作品は次々と演奏禁止となり、表舞台から退きつつあった時期にソビエトの若者にむけて書かれた作品で、作曲者自身が「青春交響曲」と呼んでいた。初演は熱狂をもって迎えられ、ショスタコーヴィチはプロコフィエフへ宛てて「貴方の第7交響曲のような作品を聴くことで、生きることはもっと容易で、喜ばしいものとなるのです」と書き送っている。プロコフィエフは激動の20世紀前半のソビエト連邦において、厳しい状況に翻弄されながらも、したたかに彼の芸術を花開かせた。彼の作品にはどんな困難な情勢にあっても、そこに生きる人間の力強さが息づいているように思う。
このコンサートでは、世界中からオーディションで選ばれた精鋭オーケストラのPACと指揮者の井上道義の定評あるコンビに、ヴァイオリンの服部百音が華を添える。プロコフィエフの音楽を通じて、さまざまに想いを馳せるひとときとなりそうだ。
<文・尾崎羽奈>
公演名 | 兵庫芸術文化センター管弦楽団 第132回定期演奏会 道義のオール・プロコフィエフ |
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日時 | 4月15日(金)~17日(日) 15:00開演(14:15開場) |
会場 | 兵庫芸術文化センター KOBELCO大ホール |
出演 | [指揮]井上道義 [ヴァイオリン]服部百音 [管弦楽]兵庫芸術文化センター管弦楽団 |
プログラム | 〈オール・プロコフィエフ・プログラム〉 ヴァイオリン協奏曲 第1番 交響曲 第7番 |
チケット | 全席指定:A席4,000円 B席3,000円 C席完売 D席完売 |
お問い合わせ | 芸術文化センターチケットオフィス TEL:0798-68-0255 |