＜12月1日　焼津文化会館　ほか＞　7歳でオーケストラと共演し、2005年に9歳で国際デビューを果たした小林愛実。9歳でニューヨークのカーネギーホールの舞台に立って以来、パリ、モスクワ、ポーランドなど世界各地で演奏活動を展開してきた。2010年にはショパン生誕200年を記念して、ポーランド政府から「ショパン・パスポート」を授与され、2015年の第17回ショパン国際ピアノコンクールでのファイナリスト選出を経て、2021年10月、第18回ショパン国際音楽コンクールで第4位入賞を果たし、日本を代表する若手ピアニストとしての地位を不動のものとしている。2010年に14歳で「デビュー！」をリリースしてメジャーデビューを果たし、レコーディングやメディア出演も精力的にこなしてきた。
　結婚・出産に伴う活動休止期間を挟んでコンサート活動を再開し、日本全国で演奏活動を展開する小林は、いまもっとも勢いに乗っていると言っても過言ではないだろう。
　2024年のリサイタルの曲目に彼女が選んだのは、シューベルトの《即興曲集》D935 Op.142、シューマンの《子供の情景》Op.15、そしてショパンのピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op.58。シューベルトの《即興曲集》は、11月27日（水）発売予定の新アルバムにも収録されている作品だ。シューマンの《子供の情景》では、演奏家としてだけでなく、母親としての視座ももつ小林ならではの表現に期待したい。ショパンのピアノ・ソナタ第3番は、小林の輝かしいキャリアを彩ってきた作曲家、ショパンの最高傑作だ。
　静岡、東京、大阪、広島の4か所で開催されるリサイタルは、小林愛実の現在地と未来を知る貴重な機会となるだろう。クラシック音楽ファンの皆さま、チケットのご購入はお早めに！

＜文・加藤新平＞