＜6月22日　大阪・住友生命いずみホール＞　現在の日本では才能豊かで個性的な若手ピアニストの台頭が目立つ。今回ご紹介する松田華音もそのひとり。2014年にクラシック音楽のレコードレーベルの名門ドイツ・グラモフォンより、日本人ピアニストとして初のCDデビュー。4歳からピアノをはじめ、6歳でモスクワに渡りロシア最高峰の音楽教育機関にて研鑽を積み、2021年6月にモスクワ音楽院大学院を修了した、文字通りの天才だ。
　今回のコンサートは、大阪・住友生命いずみホールで〈ベートーヴェン〉＆〈ショパン〉と銘打って開催される。注目のプログラムはベートーヴェンが遺したピアノ・ソナタから第14番《月光》と第23番《熱情》という名曲たち。そして後半は、ショパンがJ.S.バッハに敬意を表し24曲すべて異なる調性で書いた《24の前奏曲》だ。第7番 イ長調や第15番 変ニ長調〈雨だれ〉などは、曲名を知らなくてもきっと耳にしたことがあるだろう。
　今年2024年は彼女がCDデビューを果たしてから10周年。飛躍を続ける松田華音が、デビューから10年が経ちどのような変化を遂げたのか。その音色を会場で聴くのが楽しみでしかたない。

＜文・鈴木智之＞