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<12月17日 大阪・ザ・シンフォニーホール>オーケストラ作品の中でも「協奏曲」に焦点を当てて、今をときめくトップクラスの演奏家とともに名曲を奏でる「熱狂コンチェルト」は、ザ・シンフォニーホールの企画の中でも屈指の人気を誇っている。「必聴!! チェロ3大協奏曲」と題した本公演では、ハイドンのチェロ協奏曲第1番ハ長調、エルガーのチェロ協奏曲ホ短調、ドヴォルザークのチェロ協奏曲ロ短調という、チェロ協奏曲といえばこの曲! という3曲が並ぶ。
ハイドンの作品は1765年から1767年ごろに作曲され、楽譜が失われて長年演奏不能となっていたものの、1961年にプラハで自筆譜が発見されて現代に甦った作品であり、ハイドンの、バロック音楽と古典派音楽の橋渡し役という側面がよく表れている。ソリストを務めるのは、現在ベルリン芸術大学在学中の佐藤晴真。2018年にヴィトルト・ルトスワフスキ国際チェロコンクールで第1位を獲得すると、翌2019年にはミュンヘン国際音楽コンクールで日本人として初めて優勝して国際的に注目を集めている、期待の若手である。
ジャクリーヌ・デュ・プレの名録音でも知られるエルガーの作品は、1918年に作曲された。重音を多用したチェロのカデンツァで開始される独特の構成を持ち、牧歌的な響きとほの暗い情熱に満ちた作品である。シュトゥットガルトとフライブルクで学び、ビバホールチェロコンクールで史上最年少の第1位、ミュンヘン国際音楽コンクール第2位など、多くのコンクールで高評価を獲得している横坂源がソリストを務める。
ドヴォルザークの作品は、交響曲第9番「新世界より」などと並ぶ作曲者の代表作であり、日本でも「ドヴォコン」の愛称で長年親しまれている。1894年から1895年にかけてアメリカ滞在中に作曲された本作は、ドヴォルザークの故郷ボヘミアの音楽と、黒人霊歌をはじめとするアメリカの音楽とが融合した作品として高く評価されており、独奏チェロとオーケストラがまさに「競演」する一曲である。ソリストは宮田大。2009年にロストロポーヴィチ国際チェロコンクールにおいて日本人として初めて優勝して以来、参加したコンクールすべてで優勝を果たしており、日本のチェロ界を牽引する実力派である。
飯森範親率いる日本センチュリー交響楽団と、日本を代表するチェリスト3名との共演で、チェロ協奏曲だけを存分に味わう、またとない機会である。チェロ好きの方は、まさしく必聴。
<文・加藤新平>
公演名 | 熱狂コンチェルト 必聴!! チェロ3大協奏曲 |
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日時 | 12月17日(土) 14:00開演(13:00開場) |
会場 | ザ・シンフォニーホール |
出演 | [指揮]飯森範親 [チェロ]佐藤晴真、横坂源、宮田大 [管弦楽]日本センチュリー交響楽団 | プログラム | ハイドン:チェロ協奏曲 第1番 ハ長調 Hob.Vllb:1 エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 op.85 ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 op.104 |
チケット | 全席指定:S席7,800円 A席6,800円 B席5,800円 |
お問い合わせ | ザ・シンフォニー チケットセンター TEL:06-6453-2333(火・休) |