＜5月11日　岐阜・サラマンカホール＞　2022年には日本デビュー25周年を迎え、活躍を続けるロシア人ピアニスト、イリーナ・メジューエワのリサイタルが、岐阜市サラマンカホールで開催される。演奏活動だけではなく、後進の教育や書籍の執筆など、幅広い活動を見せる彼女の今回のリサイタルのテーマは「ベスト・オブ・クラシックピアノ」。有名な作品も多く、明瞭で親しみやすいメジューエワの演奏も楽しめるため、コンサート初参加という方にもおすすめのリサイタルだ。
　プログラムにはピアノ独奏曲の名曲が並ぶ。ある特定の作曲家や時代に偏らず、バロック期を代表するバッハから、19世紀末から20世紀フランス最大の作曲家ドビュッシーの作品まで、クラシックピアノの時代の流れを追体験できるのもおもしろい。ショパンの《24の前奏曲》より〈雨だれ〉や、ドビュッシーの《前奏曲 第1巻》より〈亜麻色の髪の乙女〉など、穏やかで美しい作品も多く、リラックスして音楽に没入できるだろう。色とりどりの音色を生む打鍵も魅力のメジューエワならではの、高音がキラキラと輝くリストの《ラ・カンパネラ》も楽しみである。
　ピアノ音楽好きにおすすめな「ベスト・オブ・クラシックピアノ」曲がそろう、イリーナ・メジューエワのピアノリサイタル。ぜひ足を運んでいただきたい。

＜文・山下実紗＞