●このコンサートは終了しました
<2月10日 愛知・宗次ホール> シューベルトの《冬の旅》の多くは男声で歌われるが、女声にはそれとは異なる、滋味あふれるやさしさがある。古楽を中心として幅広いレパートリーを持ち、柔らかでありながら凛とした美しさをもつメゾ・ソプラノの波多野睦美、活発な創作と演奏活動から導き出される、理知的かつラディカルなアプローチが光る高橋悠治のピアノ。ふたりは2006年から共演をかさね、《冬の旅》は2016年1月にコンサートで初めて披露された。その後CD化もされ、このたび宗次ホールでの共演が6年ぶりに実現する。
《冬の旅》はシューベルト最後の歌曲集であり、24の歌曲から成る。健康状態が思わしくなかったシューベルトは経済的な困窮とともに、次第に死について考えるようになる。そんな折に出会ったのが、ミュラーの詩集「冬の旅」であった。恋に破れ、絶望に打ちひしがれた若者はあてどなくさまよう。シューベルトはおそらく、自らの姿をそれに重ね合わせたのだろう。
内省的でありながら開かれた地平と、生きることへのほのかな光を感じさせる、ドイツ・リート史上における金字塔。宗次ホールという慕わしく、親密な空間で繰り広げられるしずかな音とことばの物語は、聴く者をそれぞれの終わりなき旅へと誘うだろう。ぜひとも足を運んでいただきたい。
<文・内田雅子>
《冬の旅》はシューベルト最後の歌曲集であり、24の歌曲から成る。健康状態が思わしくなかったシューベルトは経済的な困窮とともに、次第に死について考えるようになる。そんな折に出会ったのが、ミュラーの詩集「冬の旅」であった。恋に破れ、絶望に打ちひしがれた若者はあてどなくさまよう。シューベルトはおそらく、自らの姿をそれに重ね合わせたのだろう。
内省的でありながら開かれた地平と、生きることへのほのかな光を感じさせる、ドイツ・リート史上における金字塔。宗次ホールという慕わしく、親密な空間で繰り広げられるしずかな音とことばの物語は、聴く者をそれぞれの終わりなき旅へと誘うだろう。ぜひとも足を運んでいただきたい。
<文・内田雅子>
公演名 | 波多野睦美&高橋悠治「冬の旅」 |
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日時 | 2月10日(土) 14:00開演(13:30開場) |
会場 | 宗次ホール |
出演 | [メゾ・ソプラノ]波多野睦美 [ピアノ]高橋悠治 |
プログラム | シューベルト:歌曲集《冬の旅》D.911 |
チケット | 全席指定:一般4,000円 学生2,400円 |
お問い合わせ | 宗次ホールチケットセンター TEL:052-265-1718(10:00〜16:00) |