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2020年08月28日放送

「吹奏楽名曲5選」

「吹奏楽名曲5選」
番組内でも紹介があった通り、ひとくくりに“吹奏楽”といっても、実はいくつか種類があるし、国や時代によっても使われている楽器編成や、規模、用途が違ったりする。そういったことを踏まえつつ、勝手に名曲を5つ選んでみた。
1.マーチ王が残した吹奏楽界のスタンダード・ナンバー J.P.スーザ《星条旗よ永遠なれ》
吹奏楽と言えば、なんといってもマーチ。マーチといえばこの人、スーザです。《ワシントン・ポスト》、《美中の美》、《雷神》など、有名なマーチをいくつも残していますが、中でも最も演奏されるのがこの《星条旗よ永遠なれ》でしょう。メインプログラムに載っていなくても、アンコールで演奏されることも多々あります。
2.クラシック音楽史に残る名行進曲 J.F.ワーグナー《双頭の鷲のもとに》
一方、クラシック音楽の本場、ドイツに目を向けると、やはり吹奏楽に関しても歴史が長いです。番組内でも紹介があったように、ベートーヴェンの《ヨルク行進曲》などは、現代でもよく演奏される名曲。そして特に人気の1曲が、J.F.ワーグナー(リヒャルトとは別人)の行進曲《双頭の鷲のもとに》です。冒頭の堂々としたファンファーレから、聴く人の心をつかんで離しません。
3.ソリッドな金管楽器の音が魅力 P.スパーク《ドラゴンの年》
さて、吹奏楽といえば、イギリスもまた盛んです。イギリスには、ブリティッシュ・ブラスと呼ばれる、金管楽器バンドの形態があります。P.スパークの名曲《ドラゴンの年》は、ウィンド・オーケストラでもしばしば演奏される人気曲ですが、もともとはこのブリティッシュ・ブラスのために書かれた楽曲です。アタックのはっきりした金管楽器のみで演奏される本家でこそ、その魅力を最大限に発揮する1曲です。
4.吹奏楽のゆるぎない古典 G.ホルスト《吹奏楽のための組曲第1番》
イギリスでは、20世紀の前半から、吹奏楽曲が流行り始めます。今日でいう“吹奏楽”のブームのはしりは、この時期のイギリスにあったといえるでしょう。中でも、組曲《惑星》で有名なホルスト作曲《吹奏楽のための組曲第1番》は、吹奏楽の古典として、非常に人気の高い名曲中の名曲です。第3曲「行進曲」は、数ある吹奏楽曲の中でも最も気分が高まる1曲でしょう。ちなみに《同第2番》は、イギリス民謡をちりばめた愛らしい作品となっています。
5. コンクール課題曲の名曲 福田洋介《吹奏楽のための「風の舞」》
さて最後に我々の国、日本は、これまでお話しした地域に負けないほど吹奏楽が隆盛を誇っています。小学校から大学に至るまで各学校には吹奏楽部があり、アマチュアを中心に社会人バンドも多く存在します。毎年行われる吹奏楽コンクールのため、課題曲は1年ごとに数曲書かれ、日本産の吹奏楽曲は、世界に類を見ないほど量産されています。そんなコンクール課題曲の中から印象的な1曲、福田洋介氏の《吹奏楽のための「風の舞」》を挙げたいと思います。実に日本らしく、かっこよく、それでいて演奏技術は平易であり、課題曲史に残る名曲だといえるでしょう。 今回、この5曲を選出いたしましたが、ほかにも多くの魅力的な楽曲があり、泣く泣く外した作品も多いです。ぜひ、ご自身で、ベスト吹奏楽曲を見つけてみてください。 (文・一色萌生)

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