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<10月14日 群馬・富岡市かぶら文化ホール> 群馬交響楽団は、1945年11月に創設された高崎市民オーケストラを母体としている。終戦直後の荒廃の中で、文化を通した復興を目指した取り組みだ。1955年にはその誕生の経緯をモデルに制作された映画「ここに泉あり」が公開され、全国的に注目を集めた。以来、精力的に演奏活動を続けている。本公演は、群馬県各地で開催されている県民芸術祭の一環として、群馬県、群馬県教育文化事業団と富岡市が開催する演奏会だ。
プログラムは日本を代表する作曲家・武満徹、《ボレロ》で知られるフランス近代の巨匠・ラヴェル、そして楽聖・ベートーヴェンの作品を集めた。武満の《3つの映画音楽》は、彼の数多い映画のための作品から選んだ3曲で構成されている。難解な現代音楽のイメージから離れ、メロディアスで親しみやすい。《ピアノ協奏曲》は「管弦楽の魔術師」と称されたラヴェルらしく、多彩な音色のオーケストラと華麗なピアノが絡み合い、音の絵画を描き出す。ベートーヴェンの《第7番》第1楽章は人気ドラマ「のだめカンタービレ」のテーマ曲としてご存知の方も多いだろう。しかしこの曲の魅力はそれだけではない。荘重な第2楽章、リストが「リズムの神化」と称えた弾むような第4楽章、と聴きどころ満載だ。
指揮は沖澤まどか。2019年の仏・ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝し、昨年のセイジ・オザワ 松本フェスティバルで歌劇《フィガロの結婚》を振って絶賛された俊英だ。ピアノの亀井聖矢も弱冠21歳ながら、昨年のロン=ティボー国際コンクールで第1位受賞。あわせて聴衆賞・評論家賞のふたつの特別賞も手にした若手の花形。ふたりのフレッシュな才能の競演は聴き逃せない。
<文・小出和明>
公演名 | 県民音楽のひろば 群馬交響楽団クラシックコンサートin富岡 |
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日時 | 10月14日(土) 14:00開演(13:00開場) |
会場 | 富岡市かぶら文化ホール |
出演 | [指揮]沖澤のどか [ピアノ]亀井聖矢 [管弦楽]群馬交響楽団 |
プログラム | 武満徹:3つの映画音楽 ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調 ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 Op.92 |
チケット | 全席指定:一般3,300円 高校生以下1,500円 |
お問い合わせ | 富岡市かぶら文化ホール TEL:0274-60-1230 |