＜5月11日　広島県民文化センター＞　実力と人気を兼ね備えた旬なヴァイオリニストといえば、髙木凜々子が筆頭に上がるだろう。彼女は幼いころから数々のコンクールで優勝、入賞を積み重ね、バルトーク国際音楽コンクール第2位、東京音楽コンクール第2位、日本音楽コンクール第3位、国内外の数々のオーケストラと協奏曲を協演などの華々しいキャリアをもつ。その一方で、YouTubeでの活躍も目覚ましいなど、伝統を受け継ぎながらも新しい感覚を持った稀有なヴァイオリニストである。
　年間たくさんのステージが予定されているなか、ここでご紹介するのは5月11日（土）に広島で行われるリサイタルである。プログラムはベートーヴェンの名作《ロマンス第2番》に始まり、バッハの無伴奏パルティータと本格的なクラシック作品が並んだあと、聴きやすい小品をはさむ。その次に、彼女のキャリアの原点でもあるバルトークの作品が演奏され、ヴァイオリンの魅力を存分に堪能できるフランクのヴァイオリン・ソナタで締めくくるという構成である。
　ヴァイオリンやクラシック音楽に興味はあるけれど、どんな演奏会に行けば楽しめるかわからないという方も、名曲をあらためてじっくり楽しみたいというコアなファンにもお勧めできる演奏会。人気ヴァイオリニストだけあってチケットはすぐ売れてしまうので、ご予約はお早めにどうぞ。

＜文・尾崎羽奈＞