＜2024年1月14日　香川・ハイスタッフホール＞　2019年に第88回日本音楽コンクールピアノ部門第1位や、第43回ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、2022年にはロン=ティボー国際音楽コンクールにて第1位を受賞。現在はドイツ・カールスルーエ大学での学びと日本での公演を行き来する若き俊英ピアニスト、亀井聖矢。2024年初リサイタルは香川・ハイスタッフホール（観音寺市民会館）にて開催される。
　今回のリサイタルはリストとショパン作品が中心となったプログラムになっている。ベッリーニの歌劇《ノルマ》の主題を用いてリストが作曲した《ノルマの回想》、モーツァルトの歌劇《ドン・ジョバンニ》の第1幕よりドン・ジョヴァンニとツェルリーナの二重唱の主題を用いたショパン作曲の変奏曲など、有名なオペラの主題から次々に変化する華やかで技巧的なピアノ音楽を楽しみたい。特に《ノルマの回想》は、亀井が2019年のピティナ・ピアノコンペティションでも披露している作品だ。それから多くのコンクールや演奏会、そして留学先での学びを経てさらに素晴らしい演奏になっているに違いない。また、リストの《巡礼の年 第2年「イタリア」》より〈ダンテを読んで〉は、超絶技巧を要する曲として知られている。リストは以前から好きなレパートリーだと語る亀井の演奏に期待したい。
　常に進化し続け、世界での活躍が期待される亀井聖矢。お近くにお住まいの方は、2024年の演奏会初めにこのリサイタルはいかがだろうか。

＜文・山下実紗＞