
<10月25日 東京・小金井 宮地楽器ホール> JR中央線 武蔵小金井駅前という便利な立地と響きの良さから、小金井市はもとより、関東一円のクラシック音楽ファンに愛されているコンサートホールがある。それが、小金井 宮地楽器ホールだ。2012年のこけら落としに際し、「小金井市ゆかりの音楽家でなにかできないか」という思いで、元NHK交響楽団首席オーボエ奏者で小金井市在住の茂木大輔氏が立ち上がり、「まず一度やってみよう」と結成したのが「こがねいガラ・オーケストラ」である。それから15年、こがねいガラ・オーケストラによる「こがねいガラ・コンサート」は、小金井の秋の風物詩として定着している。東京のプロオーケストラに所属する一流の音楽家と、小金井市ゆかりの音楽家によるコラボレーションが生み出すサウンドは、小金井ならではのもの、まさに唯一無二というにふさわしい。
今回のプログラムは、ブラームスとフランス音楽に焦点を当てたもの。前半はブラームスの《ハイドンの主題による変奏曲》とヴァイオリン協奏曲、そして後半はグノーの歌劇《ファウスト》より〈トロイの娘たちの踊り〉とプーランクの《シンフォニエッタ》が楽しめる。
《ハイドンの主題による変奏曲》は、ハイドン作と伝えられるメロディを、さまざまな楽器を駆使しながら大きく変化させてゆく、変奏曲という技法を存分に活かした名曲。ソリストに石上真由子を迎えるヴァイオリン協奏曲は、重厚さとブラームスならではの旋律美を詰め込んだ、交響曲に匹敵する規模を持つ力作だ。
優美さの極致ともいうべき、グノーの《ファウスト》より〈トロイの娘たちの踊り〉に続いて、本公演のメイン・プログラムとして披露されるのは、プーランクの《シンフォニエッタ》だ。「シンフォニエッタ」とは「小交響曲」と訳され、文字通り小さな交響曲……だが、交響曲、という単語からイメージされる長大さや重厚さとは無縁だ。管楽器の音色の違いを活かし、ハープなども加えた多彩なオーケストラ書法が魅力で、企画・指揮の茂木大輔は本作について「こんなに軽快なクラシック音楽があっていいのか」と語っている。プーランクのオーケストラ曲の中でも特に人気の高い《シンフォニエッタ》を実演で聴ける貴重な機会だ。
ほかにも、こがねいガラ・オーケストラの大きな特徴に「インターンシップ制度」がある。プロの演奏家を目指す若い音楽家を対象とした制度で、受講料はなんと無料。一流の演奏家のレッスンを経て、こがいねガラ・オーケストラの一員としてコンサートに出演する。本稿執筆時点では、ヴァイオリンとコントラバスの受講生が決定している。本制度でこがねいガラ・オーケストラの一員として公演に参加した若者たちが、続々とプロとして羽ばたいている。小金井市の、そして日本のクラシック音楽界の未来を、少しだけ先取りできる、それもこがねいガラ・コンサートの大きな魅力だ。
秋の日のひととき、こがねいガラ・オーケストラが織りなす音宇宙を、存分に満喫してほしい。
<文・加藤新平>
| 公演名 | こがねいガラ・コンサート2026 |
|---|---|
| 日時 | 10月25日(日) 15:00開演(14:30開場) |
| 会場 | 小金井 宮地楽器ホール 大ホール |
| 出演 |
[企画・指揮]茂木大輔 [ヴァイオリン]石上真由子 [管弦楽]こがねいガラ・オーケストラ |
| プログラム |
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 グノー:歌劇《ファウスト》よりバレエ音楽〈トロイの娘たちの踊り〉 プーランク:シンフォニエッタ |
| チケット | 全席指定:5,800円 U25席 3,000円 |
| お問い合わせ |
小金井 宮地楽器ホールチケットデスク TEL:042-380-8099 |














