icon-sns-youtube icon-sns-facebook icon-sns-twitter icon-sns-instagram icon-sns-line icon-sns-tiktok icon-sns-etc
2020年09月18日放送

鳥とバロック楽器

鳥とバロック楽器
9月18日の放送は「栗コーダーカルテットとクラシック音楽の達人たち」でした。その中で紹介されたレスピーギ作曲の《ナイチンゲール》から「鳥」をキーワードとして選んでみました。
リコーダーと呼ばれた由来
 12世紀ごろのヨーロッパでは、音階のあるたて笛で小鳥にさえずり(= record)を教えていました。その道具である縦笛(リコーダー)の使い手は、主に人々に娯楽を供する芸人たちでした。彼らは捕まえた小鳥たちを集め、美しいさえずり―鳥の歌―を人々に聞かせる芸で人気を博していたといいます。狩猟に使う鳥寄せの笛のように、もともと古代楽器は動物の鳴き声を真似する目的で作られたという説もありますので、リコーダーは芸人と鳥との間での共通言語のような役割を果たしていたのかもしれませんね。リコーダーは、歌詞を伴う歌の伴奏にも使われていました。鳥も人も、リコーダーで歌を覚えたようです。
鳥とチェンバロ
 ヒバリ、カッコウ、ニワトリ、ハチドリ、ナイチンゲール。楽器で鳴き声を模写する音楽描写の手法は今日に至るまで長く広く親しまれていますが、鳥が重用されたのは音だけではありません。ピアノの祖先に当たる楽器チェンバロは、鍵盤を押すと爪(プレクトラム)が弦を弾いて音が出る仕組みで、その爪の部品は鳥の羽軸から切り出し作られていました。カモ、シチメンチョウ、ハクチョウ、ワシ、タカなどの羽根が使われたとか。また、チェンバロの蓋の内側や弦の下の響板には絵画が描かれることが多く、草花などの自然風景、特に美しい声を持つ鳥の姿は花形のモチーフでもありました。 (文・武谷あい子)

SHARE

旧Twitter Facebook