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<1月5日 広島・東広島芸術文化ホール他>ロン=ティボー国際コンクールでの鮮やかな優勝以降、一気に世界的スターダムへ駆けあがり、ソリストとしてだけではなく、ベルリン・フィルのコンサートマスターを務める樫本大進。バークリー音楽大学にてジャズを学ぶも、その後クラシック音楽に戻るという、異例の経歴を持つキリル・ゲルシュタイン。2021年の新年早々、大注目の2人のアーティストによるデュオコンサートがミューザ川崎やサントリーホールはじめ、全国各地(全8公演)で開催される。
気になるプログラムは、ベートーヴェンの「クロイツェルソナタ」(《ヴァイオリン・ソナタ第9番 》)とフランクの《ヴァイオリン・ソナタ》というヴァイオリン・ソナタの二大傑作の合間に、武満徹とプロコフィエフの小品―日本とロシア、それぞれのルーツにちなんだ選曲と思われる―がミルフィーユのように織り込まれるという非常に興味をそそられるもの。「“ビュッフェスタイル”構成」という樫本の言葉のとおり、さまざまな「味」を一度に楽しめる豪華さはニューイヤーにふさわしく、記憶に残るコンサートになりそうだ。
(文・尾崎羽奈)
(チラシは1月7日と12日開催のもの)
日程 | 〈全国公演日程〉 2021年 1月5日(火) 東広島芸術文化ホール くらら 1月6日(水) 三島市文化会館 1月7日(木) ミューザ川崎シンフォニーホール 1月9日(土) 小金井宮地楽器ホール ※完売 1月10日(日) 所沢市民文化センター ミューズ 1月12日(火) サントリーホール 1月13日(水) いずみホール ※完売 1月15日(金) 愛知県芸術劇場 |
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出演 | [ヴァイオリン]樫本 大進 [ピアノ]キリル・ゲルシュタイン |
プログラム | プロコフィエフ:5つのメロディー Op. 35bis フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 武満徹:妖精の距離 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 Op. 47「クロイツェル」 |
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(c)Keita Osada (Ossa Mondo A&D)
樫本 大進 Daishin Kashimoto (ヴァイオリン, Violin)
1996年のフリッツ・クライスラー、ロン=ティボーの両国際音楽コンクールでの1位など、5つの権威ある国際コンクールにて優勝。現在、ドイツを拠点にソリストとして活躍する傍ら、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団第1コンサートマスター(2010年正式就任)の任にある。使用楽器は1674年製アンドレア・グァルネリ。
3歳より恵藤久美子に学び、7歳でジュリアード音楽院プレカレッジに入学、田中直子に師事。11歳の時、名教授ザハール・ブロンに招かれリューベックに留学し、20歳よりフライブルク音楽院でライナー・クスマウルに師事。これまで、マゼール、小澤征爾、ヤンソンス、ラトル、P.ヤルヴィなど著名指揮者のもと、ベルリン・フィルをはじめ国内外の著名なオーケストラと共演。室内楽でも、クレーメル、バシュメット、堤剛、パユなど世界有数のソリストと共演し、2007年には兵庫県で室内楽音楽祭「ル・ポン国際音楽祭~赤穂・姫路」を創設し、毎年話題を呼んでいる。主なCDに、2014年にワーナー・クラシックスから世界リリースされた「ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集」など。
1995年アリオン音楽賞、1997年出光音楽賞、モービル音楽賞、1998年新日鉄音楽賞フレッシュアーチスト賞、平成9年度芸術選奨文部大臣新人賞、2011年兵庫県文化賞、チェンジメーカー2011クリエーター部門、2017年姫路市芸術文化大賞、ドイツに於いてはシュタインゲンベルガー賞、ダヴィドフ賞を受賞。2019年12月より、HiFiオーディオ製品ブランド「VELVET SOUND」(旭化成エレクトロニクス)公式アンバサダー。
(c)Marco Borggreve
キリル・ゲルシュタイン Kirill Gerstein (ピアノ, Piano)
ロシアのヴォロネジ生まれ。14歳で渡米し、史上最年少でバークリー音楽大学の学生となる。第10回アルトゥール・ルービンシュタイン・ピアノ・コンクール優勝。2010年、ギルモア・アーティスト・アワード受賞。ティモ・アンドレス、チック・コリアらに新曲を委嘱。これまでに、ウィーン・フィル、ベルリン・フィル、ロイヤル・コンツェルトへボウ管、ニューヨーク・フィル等、数々の著名な楽団と共演。またウィーン・コンツェルトハウスをはじめ、ハンブルグ、リバプールなど世界各地の権威あるホールでリサイタルを行っている。2015年、世界初録音となったチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番(1879年版)をリリースし、エコー・クラシック賞(最優秀協奏曲録音賞)を受賞。これに先だってリリースされた最初のソロ・アルバムは、ニューヨーク・タイムズ紙により2010年の最優秀録音賞に選ばれた。好奇心旺盛で多才なキリル・ゲルシュタインは、これまでに幅広いレパートリーとスタイルを開拓してきた。バッハからアデスに至るまで、彼の演奏は、鋭い洞察力、卓越した技量、そして表現の明解さにより、他と一線を画している。2016年8月に行われたトーマス・ダウスゴー指揮BBCスコティッシュ交響楽団との共演では、インディペンデント紙によって「技術的に完璧で、威厳の中にも優しさが感じられる演奏は、随所に思いがけない美しさが散りばめられていた。聴衆がこれほど喜びを露わにするのを見ることはめったにない」と評された。