＜12月8日　兵庫県立芸術文化センター　ほか＞　1950年10月2日から2000年2月13日まで半世紀以上連載されたコミック『PEANUTS』は、まちがいなくチャールズ・M.  シュルツの最高傑作だ。主人公のチャーリー・ブラウンと愛犬スヌーピーが織りなす世界観が世界的に人気を博し、作品に漂う少しゆるい雰囲気と時折現れる哲学的な深さも、多くの人をひきつけてやまない。
　『PEANUTS』70周年を記念して2020年に始まった、スヌーピーのオーケストラコンサートは、2023年の公演から城田優を演出とメインパフォーマーに迎えて大幅にリニューアル。「スヌーピーと過ごす魔法のクリスマス」をテーマとし、兵庫公演ではスピルバーグ監督の映画『レディプレイヤー1』への出演を皮切りに頭角を現し、ミュージカル『SPY×FAMILY』でロイド・フォージャー役を務めるなど、いまもっとも波に乗る俳優の森崎ウィン、札幌公演ではSHOWROOMと週刊少年マガジンの共催によるバンド漫画『風夏』（作：瀬尾公治）のヴォーカルオーディション優勝をきっかけにメジャーデビューを果たし、レディー・ガガとの共演でも知られるKIMIKAをゲストに迎える。そして東京公演では、2008年にリリースしたセカンドシングル『そばにいるね』でオリコンチャート1位に輝いて以来、日本のポップシーンの先頭を走り続ける青山テルマがゲスト出演予定だ。
　美術、照明、演出にもこだわり、『PEANUTS』の世界にある森の奥で開かれているクリスマスコンサートをイメージした舞台で、スヌーピーにまつわるジャズの名曲やクリスマスソングをオーケストラとジャズ・トリオの演奏で披露する。本公演のために書き下ろされるオリジナルアレンジは、魔法の世界に聴き手を連れて行ってくれることだろう。
　今年のクリスマスは、PEANUTSの世界観と一緒に音楽を楽しもう！ かけがえのない夢の世界がそこにはある。

＜文・住吉亜蘭＞