
<9月26日 茨城・水戸芸術館> 日本の楽器とオーケストラとを並置した《ノヴェンバー・ステップス》や、歌曲《小さな空》が音楽の教科書に掲載されるなど、日本の現代音楽を代表する作曲家である武満徹。惜しまれつつ彼がこの世を去ってから30年が過ぎた。しかし、武満徹の音楽は、いまなお私たちの心に生き続け、聴くものを魅了し続けている。
本公演は、水戸芸術館館長にして、日本人作曲家の作品を語らせたら現代日本で右に出るもののいない邦人作品の伝道者、片山杜秀がナビゲーターを務め、ソプラノの波多野睦美、フルートの高木綾子、ヴァイオリンの成田達輝、フルートの山澤慧、そしてピアノの北村朋幹……と、日本の現代音楽界を牽引する演奏家が結集して、初期作品から晩年の作品にいたるまで、武満徹の軌跡をたどりながら彼の名作の数々を披露する。
1950年、武満が初めて発表した作品である《二つのレント》は、初演当時の保守的で西洋音楽礼賛一辺倒の日本の楽壇には受け入れられなかった。しかし、いまあらためて聴いてみると、戦争により失われた自身の「生」を取り戻すべくもがき、苦しみながら、己と向き合って真摯に音を紡ぎ始めた若き日の武満徹の、感性の鋭さをわれわれに教えてくれるのである。
ヴァイオリンとピアノのための《妖精の距離》、ピアノのための《遮られない休息》や《フォー・アウェイ》、チェロとピアノのための《オリオン》、そして谷川俊太郎の詞に曲をつけた《死んだ男の残したものは》をはじめとする「SONGS」など、武満の室内楽・器楽・声楽作品の聴きどころを網羅的に押さえたプログラムは、長年の武満ファンから、現代音楽に馴染みのない方まで、多くの人に武満作品との新たな出会いをもたらしてくれることだろう。
作曲者自身が「音楽的庭園」と評した、1993年の室内楽曲《ビトゥイーン・タイズ》にたどり着いたとき、武満徹とともに時間旅行をしてきたみなさまは、はたして何を思うだろうか。没後30年という節目の年に、あらためてゆっくりと、じっくりと、武満の作品と向き合ってみてほしい。
<文・加藤新平>
| 公演名 | 武満徹の肖像 ~武満徹没後30年記念企画~ |
|---|---|
| 日時 | 9月26日(土) 16:00開演(15:30開場) |
| 会場 | 水戸芸術館 コンサートホールATM |
| 出演 |
[メゾソプラノ]波多野睦美 [フルート]高木綾子 [ヴァイオリン]成田達輝 [チェロ]山澤慧 [ピアノ]北村朋幹 [ナビゲーター/水戸芸術館館長]片山杜秀 |
| プログラム |
二つのレント(1950)ピアノのための より I アダージョ 妖精の距離(1951/89)ヴァイオリンとピアノのための 遮られない休息(1952-59)ピアノのための フォー・アウェイ(1973)ピアノのための オリオン(1984)チェロとピアノのための エア(1995)フルートのための SONGS 〈うたうだけ〉(1958)谷川俊太郎・詞、〈死んだ男の残したものは〉(1960)谷川俊太郎・詞、〈翼〉(1982)武満 徹・詞、〈MI・YO・TA〉(1950年代/1996)谷川俊太郎・詞 ビトゥイーン・タイズ(1993) ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための |
| チケット | 全席指定:4,500円 U-25(25歳以下)1,500円 |
| お問い合わせ |
水戸芸術館(代表) TEL:029-227-8111 チケット予約センター TEL:029-231-8000 |
















