
<5月17日 群馬・高崎芸術劇場> 2008年に名古屋国際ピアノコンクール第1位・聴衆賞を獲得して頭角を現し、2015年にロン=ティボー国際コンクールにて第3位・最優秀リサイタル賞・最優秀現代曲賞を受賞して世界的に注目を集めた實川風は、バロックから現代音楽まで幅広いレパートリーを持ち、近年ではJ.S.バッハとベートーヴェンを中心とした演奏活動を展開している。NHKFM「リサイタルノヴァ」、NHKEテレ「クラシック音楽館」、テレビ朝日「題名の無い音楽会」など、テレビ・ラジオにも出演を重ねており、日本のお茶の間にもその名が浸透しているピアニストだ。
ところで、「ららら♪クラブ」読者のみなさまは、ピアノとチェンバロの違いをご存じだろうか。チェンバロは弦をはじいて音を出し、ピアノはハンマーで弦を叩いて音を出す。発音原理が違う上に、鍵盤のレスポンスや音量の幅も異なるふたつの楽器を、同じコンサートで両方演奏することは容易ではない。
しかし、實川にはそれができてしまうのだ。本公演は、タイトルどおりのオール・J.S.バッハ・プログラムだが、プログラムをひと目見て「おや……?」と思った方も多いだろう。《イタリア協奏曲》が2回演奏されることになっているのだ。なぜかといえば、第1部ではチェンバロ、第2部ではピアノで演奏されるから。同じ曲を違う楽器で、しかも生演奏で聴ける機会はそう多くはない。前半は《イタリア協奏曲》に始まり、《パルティータ》第2番、《前奏曲とフーガ》ハ短調、《音楽の捧げもの》より3声のリチェルカーレと、バッハの鍵盤楽曲の多様性をチェンバロの響きとともに堪能できる。後半はピアノに楽器を替えて再び《イタリア協奏曲》からスタート。そしてここからが實川のプログラム編成のおもしろいところなのだが、単にバッハの作品をピアノで弾くだけではなく、バウアー編曲の《主よ、人の望みの喜びよ》、ペトリ編曲の《羊は安らかに草を食み》、さらにブラームス編曲の《無伴奏ヴァイオリン組曲》第2番より〈シャコンヌ〉ニ短調と、後世の作曲家たちによるピアノ編曲版で固めているのだ。
チェンバロのために書かれた曲をピアノで弾くだけではなく、カンタータや無伴奏ヴァイオリン曲からピアノに編曲された作品を集めた本公演を通して、ピアノという楽器を活かす編曲とはどのようなもので、どうあるべきかを知り、学ぶことができるだろう。
<文・加藤新平>
| 公演名 | 實川風 ピアノ & チェンバロ・リサイタル ≪オール・J.S.バッハ・プログラム≫ |
|---|---|
| 日時 | 6月17日(水) 19:00開演(18:30開場) |
| 会場 | 浜離宮朝日ホール |
| 出演 | [ピアノ]實川風 |
| プログラム |
【オール・J.S.バッハ・プログラム】 イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971 パルティータ第2番 ハ短調 BWV826 前奏曲とフーガ ハ短調 BWV847 3声のリチェルカーレ ~音楽の捧げ物より BWV1079 イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971 主よ、人の望みの喜びよ BWV147(バウアー編曲) 羊は安らかに草を食み BWV208(ペトリ編曲) シャコンヌ ニ短調~無伴奏ヴァイオリン組曲 第2番より~ BWV1004(ブラームス編曲) |
| チケット | 全席指定:5,000円 |
| お問い合わせ |
サンライズプロモーション TEL:0570-00-3337 |
















