
<9月28日 大分・iichikoグランシアタ> 「ららら♪クラブ」読者のみなさまは、「声優朗読劇フォアレーゼン」をご存じだろうか。クラシック音楽の作曲家や各地の歴史を題材としたオリジナルの物語を、声優による朗読と生演奏とのコラボレーションで贈る、音楽朗読劇である。北は北海道から南は沖縄まで、日本全国各地で公演を重ね、好評を博している。
大分公演の題材はズバリ「天正遣欧少年使節」。1582年、大友宗麟、大村純忠、有馬晴信といったキリシタン大名たちの名代として、イエズス会会員アレッサンドロ・ヴァリニャーノの発案によりローマに派遣された使節団であり、その中心には4人の少年たちがいた。伊藤マンショ、千々石ミゲル、中浦ジュリアン、原マルティノの4名である。長崎を出発し、マカオ、マラッカ、セントヘレナ島、リスボン、マドリード、ピサ、フィレンツェなど15か所もの経由地を経てローマへといたる長旅であった。彼らの渡欧によって、ヨーロッパの人々が初めて極東の島国「日本」の存在を知り、彼らの持ち帰ったグーテンベルク印刷機によって日本で初めての活版印刷が行われるようになった。日欧の交流史にその名を刻み、日本の印刷と出版の歴史の出発点をもたらした彼らの旅は、苦難の連続であった。豊臣秀吉による伴天連追放令により帰国が危ぶまれた時期もあり、1590年に帰国後の少年たちには、キリスト教禁教という過酷な運命が待ち受けていた。
本公演ではこれまでとはまったく違った視点で、歴史に翻弄された少年たちの物語を速水奨、井上喜久子、浪川大輔、野島健児、野上翔、石川界人が声で紡いでゆく。リュート奏者の高本一郎を迎えて、天正の音空間が21世紀の日本に再現される。
クラシック音楽ファン、そして歴史ファンを唸らせる公演となること間違いなし。新感覚の舞台を、ぜひ実体験していただきたい。
<文・加藤新平>
公演名 | 声優朗読劇 フォアレーゼン 天正遣欧少年使節 in メタバース |
---|---|
日時 | 9月28日(日) 15:00開演(14:15開場) |
会場 | iichiko総合文化センター iichikoグランシアタ |
出演 |
[声優]速水奨、井上喜久子、浪川大輔、野島健児、野上翔、石川界人 [リュート]高本一郎 |
チケット |
全席指定:一般S席6,000円 A席5,000円 B席4,000円 25歳以下A席2,500円 B席2,000円 |
お問い合わせ |
iichiko総合文化センター[(公財)大分県芸術文化スポーツ振興財団] TEL:097-533-4004 |