＜7月4日、5日　東京芸術劇場＞　いくつになっても冒険は楽しい！ このフィルム・コンサートでドキドキワクワクしながら遠くへ旅する「カールじいさん」の姿を見ればきっとそんな気持ちになり、人生のすばらしさを新ためて感じるに違いありません。
　映画『カールじいさんの空飛ぶ家』は、第82回アカデミー賞®︎で「長編アニメーション賞」と「作曲賞」をダブル受賞し、作曲をつとめたマイケル・ジアッキーノはグラミー賞の「最優秀スコア・サウンドトラック・アルバム」と「最優秀インストゥルメンタル作曲」に選ばれています。そんな物語と音楽は、映画公開の2009年から15年経った今も、観る人の心に大きく響きます。
　物語は、妻を亡くして思い出の詰まった小さな家に閉じこもっていた78歳のカールじいさんが、開発地区に建つ自宅の立ち退き要求を受けたことから、家にたくさんの風船をつけ、人生最後の旅に出発するところからはじまります。近所に住む好奇心旺盛な少年が乗り合わせ、ふわりふわりと空を移動する家で、最愛の妻がいつか夫婦で行きたいと願っていた、地球上で最も美しいと言われる伝説の滝をめざします。
　日本語吹替版のセリフや効果音はオリジナルをそのままに、映画の全編をTHE ORCHESTRA JAPANの総勢約75名が、辻博之の指揮のもと、臨場感あふれる生演奏で包み込みます。
　ご高齢のご夫婦やお友だちと観るも良し、お孫さん世代と一緒に鑑賞しても伝わるものは大きいことでしょう。美しくも切なく、勇気を持って生きることの大切さを教えてくれる愛と感動の物語を、ぜひ大切な方と一緒にご覧ください。

＜文・小畑智恵＞