
<7月2日 東京オペラシティ コンサートホール ほか> 室内楽のなかでも、その音域の広さと音色の豊かさから特に人気の高い編成、それが「ピアノ・トリオ」だ。ヴァイオリン、チェロ、そしてピアノの3人が織りなす音宇宙は唯一無二のものである。
2005年にニューヨークのカーネギーホールで、2006年にはザルツブルグ音楽祭でリサイタル・デビューを果たし、日本と世界を飛び回る活躍を続けているピアニストの小菅優が「尊敬できる兄のような存在」と慕う演奏家こそ、ヴァイオリニストの樫本大進と、チェリストのクラウディオ・ボルケスだ。1996年にフリッツ・クライスラー国際コンクールとロン=ティボー国際コンクールの両方で第1位(しかもロン=ティボーでは史上最年少!)に輝き、2010年にはベルリン・フィルの第一コンサートマスターに就任した樫本大進は、間違いなく21世紀の日本を代表するヴァイオリニストだ。
ジュネーヴ国際音楽コンクール優勝、第1回パブロ・カザルス国際コンクールで第1位および特別賞に輝いたクラウディオ・ボルケスは、演奏活動のかたわら、ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学において後進の指導にもあたっている。
この3人が一堂に会するツアーは2019年以来。大阪・金沢の「プログラムA」、東京・北九州の「プログラムB」ともに、モーツァルトのピアノ三重奏曲 ト長調で幕をあける。1788年に書かれた本作は、作曲者にとって最後の「ピアノ・トリオ」となった。3つの楽器が対等の立場で対話する。武満徹の《ビトゥイーン・タイズ》はベルリン・フェスティヴァルの委嘱により1993年に書かれた、晩年の傑作。情感豊かな旋律をたっぷりと歌い上げるようすは「現代音楽」に対する印象が変わるはず。シューベルトの《ノットゥルノ》は、作曲者の死の前年、1827年に書かれた小品で、ひたすらに美しい。
プログラムAのメインはベートーヴェンのピアノ三重奏曲第7番。パトロンであり作曲者のピアノの弟子でもあったルドルフ大公に献呈されたため、「大公」の愛称で親しまれている。「ピアノ・トリオ」という編成を代表する名作だ。
そしてプログラムBのメインを飾るのは、メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番 ニ短調。暗く情熱的な第1楽章、穏やかな第2楽章、メンデルスゾーンらしい軽妙なスケルツォの第3楽章、そして暗闇を振り払って華々しく終結する第4楽章、ロマン派の室内楽を代表する作品のひとつだ。クラシック音楽界を牽引する3人の化学反応に大いに期待したい。
<文・加藤新平>
| 公演名 | 樫本大進 × 小菅優 × クラウディオ・ボルケス トリオ 2026 |
|---|---|
| 日時・会場 |
●6月30日(火) 19:00開演(18:30開場)【PROGRAM A】 住友生命いずみホール ●7月2日(木) 19:00開演(18:30開場)【PROGRAM B】 東京オペラシティ コンサートホール ●7月4日(土) 15:00開演(14:30開場)【PROGRAM A】 北國新聞赤羽ホール ●7月5日(日) 15:00開演(14:00開場)【PROGRAM B】 北九州市立響ホール |
| 出演 |
[ヴァイオリン]樫本大進 [ピアノ]小菅優 [チェロ]クラウディオ・ボルケス |
| プログラム |
【PROGRAM A】 モーツァルト:ピアノ三重奏曲 ト長調 K.564 武満徹:ビトゥイーン・タイズ シューベルト:ピアノ三重奏曲 変ホ長調 D897《ノットゥルノ》 ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第7番 《大公》 変ロ短調 Op.97 【PROGRAM B】 モーツァルト:ピアノ三重奏曲 ト長調 K.564 武満徹:ビトゥイーン・タイズ シューベルト:ピアノ三重奏曲 変ホ長調 D897《ノットゥルノ》 メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 Op.49 |
| お問い合わせ |
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