＜5月19日　愛知県芸術劇場＞　日本のミュージカル界を牽引する俳優のひとり、石丸幹二。劇団四季の看板俳優としてミュージカル《オペラ座の怪人》ほか、数々の名作の主演を務め、退団後は舞台はもとより映画・テレビにも活動の幅を広げてきた。現在は長寿音楽番組「題名のない音楽会」の司会を担当するなど、マルチな才能を発揮している。
　その石丸が、ミュージカルとはひと味違うエンターテイナーぶりを見せてくれるのが、フル編成をバックに歌うオーケストラコンサートだ。コロナ禍を経て、3年ぶりに全国5都市で開催される。
　何といっても嬉しいのは、作品の垣根を超えて、さまざまな名作の代表曲を聴けることだ。過去のコンサートでは、出世作ともいえる《オペラ座の怪人》をはじめ、《キャッツ》《アスペクツ・オブ・ラブ》といった四季時代の出演作のほか、《エリザベート》《ジキル＆ハイド》など退団後の作品や、《サウンド・オブ・ミュージック》《ラ・マンチャの男》といった歴史的作品のナンバーまで、幅広いレパートリーを披露している。今回は、どんなプログラムになるのか、期待せずにはいられない。
　また公演ごとに異なる豪華なゲスト陣も、お楽しみのひとつ。名古屋公演では、劇団四季の後輩にあたる濱田めぐみがパートナーを務める。同じメソッドで学んだふたりの、息の合ったデュエットが聴けるだろう。
　演奏は円光寺雅彦指揮の名古屋フィルハーモニー交響楽団。オペラでも定評のある円光寺と地元の老舗楽団が、豊穣なサウンドで石丸の歌を支える。

＜文・小出和明＞

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