シンフォニアクスのメンバーでもあるヨハネス・フライシュマンのデビューアルバム『Exodus』以来、約2半ぶりの最新作。ピアニストのクリストフ・ウルリヒ・マイヤーと共にワグナーからシューマン、ハイドンまで著名作曲家たちの“宝石”を現代に輝かせる。
<文・The Orchard Japan>
<文・The Orchard Japan>
ヴァイオリニストのヨハネス・フライシュマンが、ニューアルバムを完成させた。Odradek(オドラデク)レコードから初リリースされた前作『Exodus(移住)』(コルンゴルド&ツァイスル作品集)で大絶賛を浴びた彼が、新作ではピアニストのクリストフ・ウルリヒ・マイヤーと共演。『Solitaire』と題されたアルバムをリリースした。
タイトルの“Solitaire”とは、一粒だけを配した“宝石”、もしくはひとつの“作品”を意味している。このアルバムには、お互いに影響を与え合ってきたであろう有名な作曲家たちによる、知る人ぞ知るヴァイオリンとピアノのための珠玉の“宝石”が収録されている。“Solitaire”には“孤独、寂しい”という意味もあり、ヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムの掲げる“自由だが孤独”の理念とも一致。作曲家たちに影響を与えた有名ヴァイオリニストたちの作品からも、同様の共通テーマが聴こえるはずだ。
タイトルの“Solitaire”とは、一粒だけを配した“宝石”、もしくはひとつの“作品”を意味している。このアルバムには、お互いに影響を与え合ってきたであろう有名な作曲家たちによる、知る人ぞ知るヴァイオリンとピアノのための珠玉の“宝石”が収録されている。“Solitaire”には“孤独、寂しい”という意味もあり、ヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムの掲げる“自由だが孤独”の理念とも一致。作曲家たちに影響を与えた有名ヴァイオリニストたちの作品からも、同様の共通テーマが聴こえるはずだ。
「Wesendonck Lieder, WV 91: V. Träume」
via www.youtube.com
本作においては、ワグナーと彼の義父リストから、ツェムリンスキーと義弟シェーンベルク、更にはツェムリンスキーの盟友ブラームスとブラームスの友人で協力者であるロベルト・シューマンやヨアヒムまで、彼らの世界が重なり合い、贅沢なまでに美しく魅惑的な世界が繰り広げられる。
一方で、最近の作曲家たちの作品も取り上げられる。エストニアの作曲家アルヴォ・ペルトや、ギリシャの作曲家で指揮者のコンスタンチン・グルチッチ。グルチッチは断片的にしか残っていないハイドンのオペラ『フィレモンとバウキス』の空白部分を自作しているが、そのひとつが「Aria」である。「Aria」は2003年にソプラノ・アリアが作られ、2022年にグルチッチがヴァイオリンとピアノ用に書き換えた。ハイドンのオペラのギリシャ神話に基づいた「Aria」からは、短い夢の物語が聴こえるはずだ。そのハイドンの機知に富んだ「Jacob’s Dream」、ロッシーニ、ライネッケ、イザイによる作品も本作に収録されている。
フライシュマンと共演するクリストフ・ウルリヒ・マイヤーは、バイロイト音楽祭の音楽監督を務め、指揮者およびピアニストとしてウィーン楽友協会、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ザルツブルク・フェルゼンライトシューレ、東京サントリーホールなどで演奏を行ってきた。フライシュマンとマイヤーは、2019年からデュオとして一緒に演奏活動を行っている。
ヨハネス・フライシュマン(Johannes Fleischmann)プロフィール
オーストリアのウィーンで生まれ育ったヨハネス・フライシュマンは、活気に溢れるこの街の若き野心的なアーティストを象徴する。“ウィーンのヴァイオリニスト”である彼は驚くべきレパートリーを携えている。彼の才気と室内楽への情熱は、著名な音楽家たちとの共演でも明らかだ。ユリウス・ベルガー、ホセ・ガヤルド、エステル・ハフナー、アンドレ・ヘラー、リチャード・ヒャンキ・ジュー、セバスティアン・クナウアー、ダニエル・ミュラー=ショット、ソフィー・パチーニ、ミヒャエル・シャーデ、トルレイフ・テテデーン、“NWCS(ノイエ・ヴィーナー・コンツェルト・シュランメルン)”、“シンフォニアクス”等々。
ウィーン・コンツェルトハウスでブラームスのバイオリン協奏曲によりソロ・デビューを飾って以来、オーストリア外務省により“新しいオーストリアのサウンド・オブ・ミュージック”=NASOMプログラム大使に任命され、室内楽奏者として多数の著名なアーティストたちとステージを共にしてきた。ウィーン楽友協会、ウィーン・コンツェルトハウス、モスクワのチャイコフスキー音楽院大ホール、ミュンヘン・フィルハーモニーのアム・ガスタイク、フランクフルトのアルテ・オーパー、リンツのブルックナーハウス、ニューヨークのカーネギーホール、東京のサントリーホール、ブリュッセルのフラジェなど著名なコンサートホールで演奏を繰り広げてきた。
2018年からはウィーンの名高いパレ・コブルグでのマチネ公演の芸術監督を務め、ウィーンのmuThにおいて自身の室内楽コンサートのシリーズを企画(2020~22年)。2020年10月からはウィーン国立音楽大学のエルザベート・クロップフィッチュの下でヴァイオリン助教授を務めている。2021年にリリースされたアルバム『Exodus』(オドラデック・レコード)は、2021年ドイツ・レコード批評家賞、2022年国際クラシック音楽賞(ICMA)でノミネートを獲得。2022年にオーストリアのケルンテン州で初開催された音楽祭『Althofener Meisterklassen』を創設し、音楽レッスンの芸術監督を務めた。2016年パリ製のシュテファン・フォン・ベアのヴァイオリンを使用する。
リリース情報
Johannes Fleischmann ニュー・アルバム
『Solitaire』配信中 配信リンク
一方で、最近の作曲家たちの作品も取り上げられる。エストニアの作曲家アルヴォ・ペルトや、ギリシャの作曲家で指揮者のコンスタンチン・グルチッチ。グルチッチは断片的にしか残っていないハイドンのオペラ『フィレモンとバウキス』の空白部分を自作しているが、そのひとつが「Aria」である。「Aria」は2003年にソプラノ・アリアが作られ、2022年にグルチッチがヴァイオリンとピアノ用に書き換えた。ハイドンのオペラのギリシャ神話に基づいた「Aria」からは、短い夢の物語が聴こえるはずだ。そのハイドンの機知に富んだ「Jacob’s Dream」、ロッシーニ、ライネッケ、イザイによる作品も本作に収録されている。
フライシュマンと共演するクリストフ・ウルリヒ・マイヤーは、バイロイト音楽祭の音楽監督を務め、指揮者およびピアニストとしてウィーン楽友協会、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ザルツブルク・フェルゼンライトシューレ、東京サントリーホールなどで演奏を行ってきた。フライシュマンとマイヤーは、2019年からデュオとして一緒に演奏活動を行っている。
ヨハネス・フライシュマン(Johannes Fleischmann)プロフィール
オーストリアのウィーンで生まれ育ったヨハネス・フライシュマンは、活気に溢れるこの街の若き野心的なアーティストを象徴する。“ウィーンのヴァイオリニスト”である彼は驚くべきレパートリーを携えている。彼の才気と室内楽への情熱は、著名な音楽家たちとの共演でも明らかだ。ユリウス・ベルガー、ホセ・ガヤルド、エステル・ハフナー、アンドレ・ヘラー、リチャード・ヒャンキ・ジュー、セバスティアン・クナウアー、ダニエル・ミュラー=ショット、ソフィー・パチーニ、ミヒャエル・シャーデ、トルレイフ・テテデーン、“NWCS(ノイエ・ヴィーナー・コンツェルト・シュランメルン)”、“シンフォニアクス”等々。
ウィーン・コンツェルトハウスでブラームスのバイオリン協奏曲によりソロ・デビューを飾って以来、オーストリア外務省により“新しいオーストリアのサウンド・オブ・ミュージック”=NASOMプログラム大使に任命され、室内楽奏者として多数の著名なアーティストたちとステージを共にしてきた。ウィーン楽友協会、ウィーン・コンツェルトハウス、モスクワのチャイコフスキー音楽院大ホール、ミュンヘン・フィルハーモニーのアム・ガスタイク、フランクフルトのアルテ・オーパー、リンツのブルックナーハウス、ニューヨークのカーネギーホール、東京のサントリーホール、ブリュッセルのフラジェなど著名なコンサートホールで演奏を繰り広げてきた。
2018年からはウィーンの名高いパレ・コブルグでのマチネ公演の芸術監督を務め、ウィーンのmuThにおいて自身の室内楽コンサートのシリーズを企画(2020~22年)。2020年10月からはウィーン国立音楽大学のエルザベート・クロップフィッチュの下でヴァイオリン助教授を務めている。2021年にリリースされたアルバム『Exodus』(オドラデック・レコード)は、2021年ドイツ・レコード批評家賞、2022年国際クラシック音楽賞(ICMA)でノミネートを獲得。2022年にオーストリアのケルンテン州で初開催された音楽祭『Althofener Meisterklassen』を創設し、音楽レッスンの芸術監督を務めた。2016年パリ製のシュテファン・フォン・ベアのヴァイオリンを使用する。
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Johannes Fleischmann ニュー・アルバム
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