
<6月5日 神奈川・ミューザ川崎シンフォニーホール ほか> 2016年、第6回仙台国際音楽コンクールにおいて、カナダから来た若者が第4位に入賞した。ブルース・リウ。そう、2021年に第18回ショパン国際ピアノコンクールにおいて、カナダ人として初めての優勝を成し遂げることになるピアニストである。ショパンコンクールの歴史において、史上初となるファツィオリのピアノを選択しての優勝で、ピアノという楽器そのものの開発競争史にその名を刻んだことも記憶に新しい。
2025年3月のリサイタルではロシア音楽を中心としたプログラムを組んでいたが、本ツアーのプログラムは、一見すると時代も作風も異なる作曲家の作品が並んでおり、ユニークでミステリアスな印象を与える。しかしそこには、リウ自身がルネ・マグリットの絵画からインスピレーションを得た「月と夢」「月への旅」という明確なコンセプトがあるのだ。
プログラムはリゲティの《ピアノ練習曲集》第1巻 第4番〈ファンファーレ〉で幕を開ける。規則性と不規則性の狭間で揺れ動く響きで時間旅行の扉が開くと、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第14番《月光》、ショパンの《ノクターン》から第7番、第8番の2作を経て、ラヴェルの《道化師の朝の歌》で月夜から夜明けへと向かう。
プログラムの後半はドビュッシーの《夢》に始まり、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第21番《ワルトシュタイン》が、プログラム前半の《月光》と対置される。スペインの作曲家、アルベニスの《エル・プエルト》はスペインが快活なリズムの国であることを思い起こさせる。そしてプログラムを締めくくるのは、ハンガリー出身でドイツ・オーストリアを中心に活躍したリストがスペインに思いを寄せて書いた《スペイン狂詩曲》だ。
ショパンコンクールの覇者、ブルース・リウが描き出す音風景を、ぜひ耳と目と心で存分にご堪能いただきたい。なお、本稿執筆時点で横浜、東京の各公演は完売している。高崎公演も残席わずかとなっているので、チケットのご購入はお早めに!
<文・加藤新平>
| 公演名 | ブルース・リウ ピアノ・リサイタル |
|---|---|
| 日時・会場 |
●6月5日(金) 19:00開演(18:15開場) ミューザ川崎シンフォニーホール ●6月7日(日) 16:00開演(15:20開場) 高崎芸術劇場 大劇場 ●6月8日(月) 19:00開演(18:20開場) すみだトリフォニーホール |
| 出演 | [ピアノ]ブルース・リウ |
| プログラム |
リゲティ:ピアノ練習曲集第1巻 第4番《ファンファーレ》 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番 Op.27-2《月光》 ショパン:ノクターン第7番 Op.27-1、ノクターン第8番 Op.27-2 ラヴェル:《鏡》より第4曲〈道化師の朝の歌〉 ドビュッシー:夢 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番 Op.53《ワルトシュタイン》 モンポウ:《月の光》によるグロッサ アルベニス:イベリア第1巻 第2曲《港(エル・プエルト)》 リスト:スペイン狂詩曲 |
| お問い合わせ | ジャパン・アーツぴあ TEL:0570-00-1212 |
| そのほかの公演 |
●6月10日(水) 札幌コンサートホールKitara 大ホール お問い合わせ/TVhテレビ北海道 TEL:011-351-7277 ●6月11日(木) ザ・シンフォニーホール お問い合わせ/ABCチケットインフォメーション TEL:06-6453-6000 ●6月13日(土) 静岡県コンベンションアーツセンター グランシップ お問い合わせ/グランシップ チケットセンター TEL:054-289-9000 ●6月14日(日) 所沢市民文化センター ミューズ アークホール お問い合わせ/ミューズチケットカウンター TEL:04-2998-7777 |
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