＜3月3日　福岡・八女市民会館おりなす八女＞　ピアノ・ファンなら一度は夢見ることだろう。「ベーゼンドルファーとスタインウェイの競演が聴きたい」と。今年の桃の節句、八女市でその夢が叶う。
　2016年、ジョルジュ・エネスク国際コンクールピアノ部門で日本人として初めて第2位に入賞して以来快進撃を続ける石井琢磨と、第12回「万里の長城杯」国際国際ピアノコンクール第2位に入賞するなど数々のコンクール入賞を重ねてきた菊池亮太、ふたりの期待の若手ピアニストが共演する本公演では、ベーゼンドルファーとスタインウェイ、ピアノ界の「二代巨頭」ともいうべき楽器のサウンドを存分に味わえる。
　石井は「TAKU-音TV たくおん」名義で、菊池は「菊池亮太 Ryota Kikuchi PIANO」名義で活動するYouTuberでもある。石井は20万人越え、菊池は60万人越えのチャンネル登録者を擁し、石井は劇団四季キャストなどとのコラボレーション、菊池は「バーでバレずに○○を弾く方法」シリーズで人気を博している。そしてふたりとも海外ストリートピアノ系YouTuberとしては「大御所」ともいうべき存在だ。
　クラシック音楽をもっと身近に、親しみやすいものにしようと日々工夫を重ねるふたりのコンサート、プログラムは当日のお楽しみ。肩の力をほどよく抜いて楽しめることは間違いない。

＜文・加藤新平＞