クラシック・バレエのアイコニックな作品として有名な『白鳥の湖』。王子と姫の恋、それを邪魔する悪役、そして情景を美しく表現するコール・ド・バレエというクラシック・バレエの基本要素が凝縮された作品です。白鳥のオデットと黒鳥のオディールの二役を一人のダンサーが踊るのも『白鳥の湖』の大きな特徴で、主役ダンサーの性格の違う二役を踊り分けるテクニックと表現力は注目です。
また、音楽も言わずと知れた名曲でチャイコフスキー作曲によるもの。《情景》、《四羽の白鳥の踊り》など耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。こうしたクラシック・バレエの王道の魅力に加えて、今回の振り付け・演出を担当したのはイギリス人演出家のピーター・ライト。ライト版ではイギリス生まれの彼らしく、演劇的な要素が加わりまるでシェイクスピア劇のようなドラマティックさが際立ちます。プロローグ冒頭、なんと王の葬儀のシーンから物語がスタートします。このように、王子をはじめとするキャラクターたちの置かれた状況や設定が論理的に示され、それぞれの心理描写も緻密に表現されているのです。他にも3幕の宮廷の舞踏会、王子の花嫁候補たちの踊りも独特な演出のひとつ。民族舞踊の群舞だけでなく、3人の花嫁候補がヴァリエーションを踊り、各々が国を代表してやってきたというストーリーがしっかりと見える演出となっています。さらに、4幕のそれぞれが意思をもった白鳥たちのドラマティックな群舞や衝撃的なラストなど、ライト版の見どころは枚挙に暇がありません。厚みのあるストーリー展開に期待が高まります。
♪舞踊芸術監督 吉田都さんより上演に寄せて♪
この度、満を持して新制作の『白鳥の湖』を上演できることを嬉しく思います。新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年10月上演予定から延期となりましたが、バレエ団のダンサーたちと関係を築きながら1年間歩んでまいりましたので、より良いものをお見せできると確信しております。
今回のピーター・ライト版の『白鳥の湖』は、英国でも長年上演され愛されている、特別な作品です。ドラマ性が際立つ演出で、バレエ団を演技の面でも引き上げてくれるものと思います。私自身もコール・ド・バレエから主役まで、あらゆる役を経験しましたが、どんな役も一人ひとりが役割を持って存在しているとてもロジカルな演出で、ダンサーたちも演技に自然と入りやすいのではないかと期待しています。このような状況下ではありますが、だからこそ観に来てくださるお客様には夢心地になるような、上質の舞台をお届けしたいと切に思っております。ぜひ劇場にて、非日常の世界をお楽しみいただけましたら幸いです。
<文・ららら♪クラブ編集部>
公演名 | 新国立劇場 2020/2021 白鳥の湖<新制作> |
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日時 | 2021年10月23日(土)14:00 2021年10月24日(日)14:00 2021年10月26日(火)13:00 2021年10月30日(土)13:00 2021年10月30日(土)18:30 2021年10月31日(日)14:00 2021年11月2日(火)14:00 2021年11月3日(水・祝)14:00 【他劇場での公演日程】 |
会場 | 新国立劇場 オペラパレス |
出演 | [振付]マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ/ピーター・ライト [演出]ピーター・ライト [共同演出]ガリーナ・サムソワ [音楽]ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー [美術・衣裳]フィリップ・プロウズ [照明]ピーター・タイガン [指揮]ポール・マーフィー/冨田実里 [管弦楽]東京フィルハーモニー交響楽団 10月23日(土)/10月30日(土) 10月24日(日)/10月30日(土) 10月26日(火)/11月2日(火) 10月31日(日)/11月3日(水・祝) |
プログラム | 白鳥の湖<新制作> 【予定上演時間】約2時間50分(休憩含む) |
チケット(10%税込) | S席:14,300円 A席:12,100円 B席:8,800円 C席:6,600円 D席:4,400円 |
お問い合わせ | ■新国立劇場ボックスオフィス TEL:03-5352-9999 (10:00~18:00) ■新国立劇場Webボックスオフィス |