
<8月23日 愛知県芸術劇場 ほか> 久石譲といえば、『風の谷のナウシカ』『となりのトトロ』『天空の城ラピュタ』といった宮崎駿アニメの音楽を思い浮かべる人も多いだろう。その他にも『ソナチネ』『菊次郎の夏』など、北野武監督の作品にも携わっており、映画音楽の作曲家というイメージが強いかもしれない。しかし彼の音楽家としてのルーツは、現代音楽の潮流のひとつであるミニマル・ミュージックであり、近年ではクラシック音楽の指揮活動にも力を入れている。
本公演には、そんな久石のエッセンスが詰まっている。自作の2曲のうち《祈りのうた》は、もともと三鷹の森ジブリ美術館のBGMとして作曲され、後に宮崎監督の『君たちはどう生きるか』のサントラに転用されたものだ。もう1曲の《The End of the World》は彼の音楽的ルーツ、ミニマル・ミュージックの手法で書かれている。そしてスティーブ・ライヒは、短い旋律が繰り返されながら展開してゆくミニマル・ミュージックのパイオニア。《砂漠の歌》は、その代表作のひとつであり、原爆実験の行われた米・ニューメキシコ州の砂漠を題材としている。ライヒ自身が「ヒロシマとナガサキを間接的にあつかっている」語っており、曲中で警鐘的な言葉が歌われる。
3曲に共通するのは「祈り」だ。戦後80年にあたる今年の8月に向けて、このプログラムを自らプロデュースし指揮する久石の思いは、ホールに響く音楽で聴衆に伝わるだろう。
<文・小出和明>
公演名 | Joe Hisaishi Special Concert 祈りのうた 2025 〈日本センチュリー交響楽団 音楽監督就任披露演奏会〉 |
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日時・会場 |
●8月23日(土) 17:00開演(16:00開場) 愛知県芸術劇場 コンサートホール ●8月25日(月) 19:00開演(18:00開場) フェスティバルホール ●8月26日(火) 19:00開演(18:00開場) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール ●8月27日(水) 19:00開演(18:00開場) 東京オペラシティ コンサートホール |
出演 |
[指揮]久石譲 [管弦楽]日本センチュリー交響楽団 [合唱]東京混声合唱団 |
プログラム |
スティーヴ・ライヒ:砂漠の音楽 久石譲:祈りのうた(映画「君たちはどう生きるか」より)、The End of the World |
チケット | 全席指定:S席8,000円 A席6,500円 |
お問い合わせ |
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