
<6月29日 愛知県芸術劇場コンサートホール> 浜松市市制施行80周年を記念して1991年に始まった浜松国際ピアノコンクール。3年に1度の周期で開催されてきた本コンクールは、1998年には国際音楽コンクール世界連盟への加盟が承認され、第4回の優勝者アレクサンダー・ガヴリリュク、第5回の第2位ラファウ・ブレハッチ、第7回の優勝者チョ・ソンジンなど、数多くの世界的スターを世に送り出してきた。
2024年開催の第12回大会も、世界各国からの出場者がしのぎを削った。
第1次予選は練習曲1曲を含む自由選択だが、第2次予選では古典派、ロマン派、近・現代から「ふたつの時代区分から、2作品以上」を選ぶことが求められ、3次予選ではモーツァルトのピアノ四重奏曲第1番、第2番から1作と自由曲によるソロ・リサイタル、そして本選ではベートーヴェン、ショパン、シューマン、リスト、ブラームス、サン=サーンス、チャイコフスキー、ラフマニノフ、ラヴェル、バルトーク、プロコフィエフ、そしてグリーグのピアノ協奏曲から1曲を選んでオーケストラと共演する……という、演奏技術だけでなく、ピアニストとしてのレパートリーの広さと体力が求められるハードな戦いを勝ち抜いて、第3位には小林海都、第2位にはドイツのヨナス・アウミラー、そして第1位・室内楽賞・聴衆賞・札幌市長賞・ワルシャワ市長賞には鈴木愛美が輝いた。本コンクールの歴史において、日本人が優勝するのは史上初の快挙である。
3人の受賞者がそろう本公演の曲目にも注目だ。浜松国際ピアノコンクールの受賞者である、ということは、すなわち演奏技術と演奏解釈が優れているのみならず、時代を超えた幅広いレパートリーをもつことを意味する。ピアノ・ファンを唸らせる魅力的なプログラムを準備してきてくれているので、新星たちの選曲も楽しみたい。
<文・加藤新平>
公演名 | 第12回浜松国際ピアノコンクール 受賞記念ガラコンサート |
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日時 | 6月29日(日) 13:30開演(12:45開場) |
会場 | 愛知県芸術劇場 コンサートホール |
出演 | [ピアノ]鈴木愛美、ヨナス・アウミラー、小林海都 |
プログラム |
【鈴木愛美】 シューマン:幻想小曲集 Op.12 【ヨナス・アウミラー】 ショパン:即興曲第2番 嬰ヘ長調 Op.36、ピアノ・ソナタ第2番《葬送》 変ロ短調 Op.35 【小林海都】 ショパン:子守歌 変ニ長調 Op.57、バラード第1番 ト短調 Op.23 ドビュッシー:《前奏曲集》より〈カノーブ〉〈妖精はよい踊り子〉〈亜麻色の髪の乙女〉〈ヴィーノの門〉〈風変わりなラヴィーヌ将軍〉 |
チケット | 全席指定:一般3,500円 U22 1,500円 |
お問い合わせ |
クラシック名古屋 TEL:052-678-5310 |