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<5月31日 福岡シンフォニーホール> 1990年、第12回ショパン国際ピアノコンクールにて、第3位およびソナタ賞を受賞して以来、日本を代表するピアニストとして走り続けている横山幸雄。2011年5月3日から4日にかけて、未発表の楽曲を含め、楽譜が現存するショパンのすべてのピアノ独奏曲212曲を18時間かけて暗譜で弾き切り、「24時間で最も多い曲数をひとりで弾いたアーティスト」のギネス記録を更新した。世界でもっとも多くのショパンの作品をレパートリーに持っているピアニストと言っても過言ではないだろう。
ショパン国際ピアノコンクール入賞35周年を記念して開催される本公演は、もちろん「オール・ショパン・プログラム」。前半は《華麗なる大円舞曲》、《アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ》、ワルツ第5番、ポロネーズ第5番、ポロネーズ第6番《英雄》、3つのマズルカ、そしてポロネーズ第7番《幻想》を披露する。筆者のイチオシは《幻想》の名で親しまれている、ポロネーズ第7番。冒頭から和音の変化が劇的で、ポロネーズのリズムを前面に出さず、あえて背景に溶かし込むという、匠の技がすばらしい作品だ。
後半は、ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調《葬送》と、ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調という、ショパンのソナタ2曲が並んだボリューム満点の構成。ソナタ形式の枠組みから解き放たれてゆく第2番と、その枠組みの深淵に入っていく第3番、それぞれの構成美を聴き比べる楽しみもあるだろう。
横山幸雄のオール・ショパン・プログラム、九州のピアノ・ファンを唸らせることまちがいなし! 全力でおススメしたい。
<文・加藤新平>
公演名 | 横山幸雄 ピアノ・リサイタル 入魂のショパン |
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日時 | 5月31日(土) 14:00開演(13:30開場) |
会場 | アクロス福岡 福岡シンフォニーホール |
出演 | [ピアノ]横山幸雄 |
プログラム |
【オール・ショパン・プログラム】
華麗なる大円舞曲 変ホ長調 Op.18 アンダンテ・スピアナートと 華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22 ワルツ第5番 変イ長調《大円舞曲》 op.42 ポロネーズ第5番 嬰へ短調 Op.44 ポロネーズ第6番 変イ長調《英雄》 Op.53 3つのマズルカ op.59 ポロネーズ第7番 変イ長調《幻想》 Op.61 ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調《葬送》 Op.35 ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op.58 |
チケット | 全席指定:S席6,000円 A席5,000円 B席4,000円 学生2,000円 |
お問い合わせ |
エムアンドエム TEL:092-751-8257(平日10:00~18:00) |