<2025年3月2日 福岡・北九州市立響ホール> 響ホールリサイタルシリーズといえば、一流の演奏をたっぷりと楽しめるのが魅力。2024年度のシリーズの締めくくりは、日本が誇る若手実力派によるピアノ三重奏だ。
郷古廉は、2006年に第11回ユーディ・メニューイン青少年国際コンクール ヴァイオリンジュニア部門において史上最年少での第1位を獲得し、2007年にデビューして以来国際的な活躍を続けている。2024年4月には、NHK交響楽団第1コンサートマスターにも就任し、日本の音楽界を牽引している。
2002年、ビバホール・チェロコンクールにおいて史上最年少で第1位に輝いた横坂源もまた、13歳でデビューを果たして以来日本とドイツを中心に活躍を続けている。特に現代音楽の分野において、国内外で多くの話題作の初演を手掛けており、チェロという楽器の可能性を広げている。
第3回東京国際音楽コンクールで第1位および審査員大賞を獲得して一躍時の人となり、国内外のコンクールにおいても目覚ましい成果を挙げてきた北村朋幹は、いまもっとも波に乗るピアニストのひとりだ。
本公演は、室内楽のコンサートでは意外とまれな「オール・シューマン・プログラム」。《幻想小曲集》Op.88は、もともとはピアノ三重奏曲 イ短調として1842年に作曲され、改訂を経て1850年に現在のタイトルで出版された作品で、憂鬱さ、軽快さ、力強さを兼ね備えている。エネルギーに満ちた第1番 ニ短調 Op.63、牧歌的な旋律が印象的な第2番 ヘ長調 Op.80、そして陰鬱さを最後には吹き飛ばす第3番 ト短調 Op.110、シューマンの3つのピアノ三重奏曲は、いずれもシューマンの力作だ。シューマンといえば歌曲やピアノ曲……というイメージをお持ちの方にこそ聴いてほしい。彼の作曲家としての幅広さを実感できるはずだ。
<文・加藤新平>
公演名 | 郷古 廉[ヴァイオリン]×横坂 源[チェロ]×北村朋幹[ピアノ] 響ホールリサイタルシリーズ |
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日時 | 2025年3月2日(日) 15:00開演(14:00開場) |
会場 | 北九州市立響ホール |
出演 | [ヴァイオリン]郷古廉 [チェロ]横坂源 [ピアノ]北村朋幹 |
プログラム | 【オール・シューマン・プログラム】 幻想小曲集 Op.88 ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 Op.63 ピアノ三重奏曲第2番 ヘ長調 Op.80 ピアノ三重奏曲第3番 ト短調 Op.110 |
チケット | 全席指定:4,500円 25歳以下2,500円 |
お問い合わせ | 響ホール音楽事業課 TEL:093-663-6661(平日9:00~17:00) |