<5月10日 東京・サントリーホール>諏訪内晶子が芸術監督をつとめる「国際音楽祭NIPPON2020」。2021年2月9日から16日にかけて東京、愛知、岩手の3か所で合計5回の公演が行われた(公演内容はこちら)。そんな音楽祭のラストを飾るコンサートが、5月10日にサントリーホールで催される。指揮に尾高忠明を迎え、NHK交響楽団と共に諏訪内自らもソリストとして出演する。こうした芸術監督とプレイヤーの二刀流は2月の公演の時からで、なかでも東京公演の “クラシック” と “モダン”と題された、二晩に渡る室内楽の夕べは記憶に新しい。諏訪内はこうした、クラシック音楽の新旧の対比を大切にしてきただけあって、この最終公演でもその視点が生かされている。
今回彼女は、なんと一晩で現代フランスの作曲家デュティユーの《ヴァイオリンと管弦楽のための夜想曲「同じ和音の上で」》とブラームスの《ヴァイオリン協奏曲》を演奏する。作曲された時期がおよそ120年も離れた2つの作品を同じ地平の上に並べてみる、このチャレンジングでエキサイティングな試みはまさに、芸術監督・諏訪内晶子からヴァイオリニスト・諏訪内晶子へ与えられた試練とも期待とも感じられる。
併せて演奏されるのは、シベリウスの《「ペレアスとメリザンド」組曲》。メーテルリンク原作の劇音楽の組曲版である。2つの協奏曲の前に置かれた本作は、静かな中にきらめくドラマが絶妙なオーケストレーションで表現される。尾高とN響のコンビネーションは言わずもがな。諏訪内の作りあげてきた音楽祭のフィナーレにふさわしい良きパートナーも加わって、私たちを極上の音楽世界に誘ってくれることだろう。
公演名 | 国際音楽祭 NIPPON 2020 尾高忠明 指揮 NHK 交響楽団 諏訪内晶子(ヴァイオリン / 芸術監督) |
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日時 | 5 月 10 日(月)19:00 開演 (18:00 開場) |
会場 | サントリーホール |
出演 | [指揮]尾高忠明 [ヴァイオリン]諏訪内晶子 [管弦楽]NHK 交響楽団 |
プログラム | シベリウス:「ペレアスとメリザンド」組曲 op.46 デュティユー:ヴァイオリンと管弦楽のための夜想曲「同じ和音の上で」 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 op.77 |
チケット | S¥9,000/A¥7,500/B¥6,500/C¥5,000/学生席¥3,000 |
お問い合わせ | ジャパン・アーツぴあ コールセンター TEL:0570-00-1212 |
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諏訪内晶子 (ヴァイオリン/国際音楽祭 NIPPON 芸術監督)
1990 年史上最年少でチャイコフスキー国際コンクール優勝。これまでに小澤征爾、マゼール、デュトワ、サヴァリッシュらの指揮で、ボストン響、フィラデルフィア管、パリ管、ベルリン・フィルなど国内外の主要オーケストラと共演。BBC プロムス、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン、ルツェルンなどの国際音楽祭にも多数出演。2012 年、2015 年、エリザベート王妃国際コンクールヴァイオリン部門及び 2019 年チャイコフスキー国際コンクール審査員。2012 年より「国際音楽祭 NIPPON」を企画制作し、同音楽祭の芸術監督を務めている。デッカより 14 枚の CD をリリース。桐朋女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコース修了。文化庁芸術家在外派遣研修生としてジュリアード音楽院本科及びコロンビア大学に学んだ後、同音楽院修士課程修了。国立ベルリン芸術大学でも学んだ。使用楽器は、日本にルーツをもつ米国在住の Dr. Ryuji Ueno より長期貸与された 1732 年製作のグァルネリ・デル・ジェズ「チャールズ・リード」。
尾高忠明(指揮)
現在 NHK 交響楽団正指揮者、大阪フィルハーモニー交響楽団音楽監督、 BBC ウェールズ・ナショナル管弦楽団(旧 BBC ウェールズ交響楽団)桂冠指揮者、札幌交響楽団名誉音楽監督、東京フィルハーモニー交響楽団桂冠指揮者、読売日本交響楽団名誉客演指揮者、紀尾井ホール室内管弦楽団 桂冠名誉指揮者を務める世界的指揮者。1991 年度サントリー音楽賞受賞。 1997 年英国エリザベス女王より大英勲章CBE を、1999年には英国エルガー協会より日本人初のエルガー・メダルを授与された。2012 年有馬賞(NHK交響楽団)、2014 年北海道文化賞、2018 年度関西音楽クリティック・クラブ賞本賞、大阪文化賞、日本放送協会放送文化賞、2019 年第 49 回 JXTG 音楽賞洋楽部門本賞を受賞。
(国際音楽祭NIPPON2020 HPより)