<2025年2月1日 広島・ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ> “中野りな”は、今もっとも注目されている若手ヴァイオリニストのひとりである。16歳で日本音楽コンクール優勝、17歳で仙台国際音楽コンクール優勝(史上最年少)と登竜門を立て続けに制覇、一躍注目を浴びた。
今回紹介するのは広島県福山市にあるリーデンローズで行われる演奏会。「Up & Coming Artists Series」と題された、世界的活躍が期待される若い音楽家を紹介する人気シリーズに、ついに中野りなが登場するのだ。プログラムはモーツァルトのヴァイオリンソナタ2曲と、エルンストの《〈夏の名残のバラ〉変奏曲》、シューベルトの《華麗なロンド》、そしてフバイの《カルメン幻想曲》。
エルンストとフバイの作品は、ヴァイオリン作品としては最高難度のヴィルトゥオーゾ・ピースである。エルンストもフバイも、ヨーロッパ中にその名を轟かせたヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニストであり、自らのテクニックと音楽性を存分に活かした作品を多く書いた。こうした作品は中野りなのような若くして煌めく才能を示す俊英が弾いてこそ、その美しさが際立つ。
さらにこうした難曲にまじって、高いアンサンブル能力を必要とするモーツァルトやシューベルトがプログラムに入っていることに驚かされる。パートナーを務めるのは、東京藝術大学准教授で、仙台国際音楽コンクールの覇者でもある津田裕也。
またこのシリーズは、最高の音響を誇る300席のホールにおいて、間近で演奏が堪能できることも魅力のひとつだ。彼女の底知れぬ才能と今後の飛躍が期待しつつ、ヴァイオリン音楽の美しさを堪能できる公演である。
<文・尾崎羽奈>
公演名 | Up & Coming Artists Series-Vol.8 中野りな ヴァイオリン・リサイタル |
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日時 | 2025年2月1日(土) 14:00開演(13:30開場) |
会場 | ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ 小ホール |
出演 | [ヴァイオリン]中野りな [ピアノ]津田裕也 |
プログラム | モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ(ヴァイオリン伴奏のクラヴィア・ソナタ)第32番 ヘ長調 K.376、ヴァイオリン・ソナタ第40番 変ロ長調 K.454 エルンスト:無伴奏ヴァイオリンのための6つの練習曲より第6番 〈夏の名残のバラ〉による変奏曲 シューベルト:華麗なロンド ロ短調 Op.70,D895 フバイ:カルメンによる華麗な幻想曲 Op.3,No.3 |
チケット | 全席指定:2,500円 |
お問い合わせ | リーデンローズチケットセンター TEL:084-928-1810 |