
<9月1日 東京・サントリーホール ほか> 5年に一度開催されるショパン国際ピアノコンクール(通称「ショパンコンクール」)。2025年はその開催年だ。ショパンコンクールといえば、世界中のピアニストが頂点を目指してしのぎを削る姿や、ファイナルでの選定を目指す各国のピアノメーカーの懸命な営業活動が注目されてきたが、本コンクールを語るうえで重要な存在がもうひとつある。それが、ファイナルで協奏曲の伴奏を務める、ワルシャワ国立フィルハーモニーだ。
1901年に創設された歴史あるオーケストラで、ヴィトルド・ロヴィツキをはじめポーランドを代表する指揮者が歴代の音楽監督に名を連ねてきた。サラサーテやカザルス、さらにはフルトヴェングラーなど、音楽史を彩るヴィルトゥオーゾや大指揮者を招聘してきたことでもしられる。ショパンコンクール関連のYouTube動画の驚異的な再生数を思えば、世界のピアノ・ファンが最も多くその演奏を聴いているオーケストラと言えるかもしれない。
そのワルシャワ国立フィルが、2025年9月に日本へやってくる。本公演のタクトを執るのは、ポーランド出身で、2022年のラ・マエストラ国際指揮者コンクールで優勝を果たして以来世界各地の著名オーケストラと共演を重ね、満を持しての初来日となるアンナ・スウコフスカ‐ミゴンだ。
プログラムの前半は、フレデリック・ショパンの代表作であり、ショパンコンクールのファイナルで数々の名演を生んできた名曲、ピアノ協奏曲第1番。ソリストの牛田智大は、2012年の第16回浜松国際ピアノコンクールにて史上最年少の1位に輝き、同年にCDデビューを果たした天才肌。2024年にはリーズ国際ピアノ・コンクールで聴衆賞を獲得するなど、その活躍の幅を広げている。
プログラムの後半は、ヨハネス・ブラームスの交響曲第2番。ブラームスといえば、交響曲第1番を書き上げるのに20年以上をかけたことで知られるが、第2番はたったの4か月で書き上げている。牧歌的な雰囲気と堅牢さを兼ね備えた作風からは、本作の大半を書いたオーストリアのリゾート地ペルチャッハでの、ブラームスの「ワーケーション」の充実ぶりが伝わってくる。
伝統あるオーケストラと、若き二人の俊英とが創り出す音楽の新鮮さを、ぜひ体感していただきたい。
<文・加藤新平>
公演名 | アンナ・スウコフスカ – ミゴン指揮 ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団 ピアノ:牛田智大 |
---|---|
日時・会場 |
●8月30日(土) 14:00開演(13:00開場) ザ・シンフォニーホール ●9月1日(月) 19:00開演(18:20開場) サントリーホール 大ホール ●9月2日(火) 18:45開演(18:00開場) 愛知県芸術劇場 コンサートホール ●9月5日(金) 19:00開演(18:30開場) 富士市文化会館 ロゼシアター 大ホール ●9月6日(土) 14:00開演(13:00開場) 千葉県文化会館 ●9月7日(日) 14:00開演(13:30開場) 北上市文化交流センター さくらホールfeat.ツガワ |
出演 |
[指揮]アンナ・スウコフスカ – ミゴン [ピアノ]牛田智大 [管弦楽]ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団 |
お問い合わせ |
ジャパン・アーツぴあ TEL:0570-00-1212 |