
<8月7日 東京オペラシティコンサートホール> 自らもチェロを愛し、『セロ弾きのゴーシュ』をはじめ、音楽にまつわる物語を残している作家、宮沢賢治。彼の紡ぐ言葉は、その独特で美しい響きによって、読者を儚い夢幻の世界へ、そして土の匂いのする「あのころ」のイーハトーヴへといざなう。慶應義塾大学在学中の1994年にお笑い芸人としてデビューし、「ROCKETMAN」名義で音楽家としても活躍しているふかわりょうが、本公演で朗読・ナビゲーターを務める。ふかわが作る「注文の多い演奏会」とは……? その一端をこれからご紹介しよう。
プログラムの前半は、第72回日本音楽コンクール優勝、2006年プラハの春国際コンクール優勝をはじめ、世界で活躍するチェリストの遠藤真理と、第87回日本音楽コンクール、第15回ヘイスティングス国際ピアノ協奏曲コンクールなど国内外のコンクールで優勝を果たし、現在はイタリア・イモラ音楽院で研鑽を積むピアニストの小井土文哉のコラボレーションにより、ふかわりょうの朗読する宮沢賢治の詩4編とクラシック音楽が融合する。
プログラムの後半では、若いヴァイオリニストのためのレオニード・コーガン国際コンクールで第2位、第77回全日本学生音楽コンクール東京大会および全国大会で第2位、日本クラシック音楽コンクール最高位など、着実に実績を積み重ねている小出岳悠をゲストに迎え、トークを交えながらバラエティに富んだプログラムを披露する。世界が注目する13歳の熱演に、大いに期待したい。
サン=サーンスの《白鳥》や、シューマンの《トロイメライ》などの誰もが知る名曲から、ショスタコーヴィチのチェロ・ソナタなど、コアなクラシック・ファンを唸らせる作品まで、幅広いプログラムは多くの人の心をつかむことだろう。
なお、本公演は令和7年度文化庁「劇場・音楽堂等における子供舞台芸術鑑賞体験支援事業」の対象公演となっており、18歳未満の方は入場無料、同伴者のチケット代は一般価格の半額となる。お子さまとのお出かけにもおススメしたいコンサートだ。
<文・加藤新平>
公演名 | アフタヌーン・コンサート・シリーズ2025-2026 朗読&楽しいトークとともに名曲に浸る ~“なる”ほど!クラシック~ふかわりょうの「注文の多い演奏会」 |
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日時 | 8月7日(木) 13:30開演(12:50開場) |
会場 | 東京オペラシティ コンサートホール |
出演 |
[朗読&ナビゲーター]ふかわりょう [チェロ]遠藤真理 [ピアノ]小井土文哉 [ヴァイオリン]小出岳悠 |
プログラム |
バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番より《プレリュード》 ショパン:ノクターン第13番 ショパン:別れの曲 ドヴォルザーク:我が母の教えたまいし歌 ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタより 第1楽章 カサド:親愛なる言葉 ラヴェル:ソナチネより《メヌエット》 クライスラー:中国の太鼓 サン=サーンス:白鳥 シューマン:トロイメライ リスト:愛の夢 チャイコフスキー:ワルツ・スケルツォ ほか |
チケット | 全席指定:6,000円 |
お問い合わせ |
ジャパン・アーツぴあ TEL:0570-00-1212 |