
<7月13日 岐阜・サラマンカホール> 岐阜県岐阜市のサラマンカホールで開催される《ストリングス フェスティバル2025》では、世界的に活躍するヴァイオリニスト・辻󠄀彩奈が、弦楽アンサンブルとともに「2つの四季」をテーマにした特別なコンサートをお届けする。プログラムに並ぶのは、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲集 Op.8《四季》と、ピアソラの《ブエノスアイレスの四季》(デシャトニコフ編曲)。バロックとタンゴというまったく異なる時代とスタイルの音楽が交錯する、聴きごたえたっぷりのコンサートだ。
ヴィヴァルディは17~18世紀のヴェネツィアで絶大な人気を誇ったヴァイオリニストで、《四季》は当時から“ヒット曲”として広く親しまれていたという。一方、ピアソラは20世紀アルゼンチン・タンゴを代表する作曲家である。若いころからバンドネオン奏者としてアルゼンチン・タンゴの世界で活躍するも、タンゴ音楽に限界を感じ、33歳でパリへ留学してクラシック作曲家を志す。しかし、彼はここで「自分の魂はタンゴにこそある」と目覚め、それ以降タンゴ音楽の革新に挑む。《ブエノスアイレスの四季》は、まさにその成果ともいえる作品だ。
ピアソラはこの作品を五重奏のために作曲したが、1990年代後半になって、ロシアの作曲家デシャトニコフがヴァイオリンと弦楽オーケストラ版への編曲を試みる。その際にヴィヴァルディの《四季》と関連付けるアイデアが取り入れられ、その新たな魅力で世界中の聴衆を虜にした。
今回の演奏会では、日本の主要オーケストラで首席奏者を務める実力派10名によるアンサンブルが辻󠄀と共演。指揮者を置かないスタイルが採用されていて、緻密なアンサンブルと丁々発止のやり取りで、濃密な音楽がホールを包み込むことだろう。
この夏、岐阜でしか出会えない「2つの四季」の響きを、ぜひその耳で確かめてほしい。
<文・尾崎羽奈>
公演名 | 《ストリングス フェスティバル2025》辻󠄀彩奈の<8シーズンズ> |
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日時 | 7月13日(日) 14:00開演(13:30開場) |
会場 | サラマンカホール |
出演 |
[ヴァイオリン独奏]辻󠄀彩奈 [ヴァイオリン]水谷晃、直江智沙子、白井篤、遠藤香奈子 [ヴィオラ]安保惠麻、多井千洋 [チェロ]伊東裕、三宅依子 [コントラバス]加藤雄太 [チェンバロ]圓谷俊貴 |
プログラム |
ピアソラ(デシャトニコフ編):ブエノスアイレスの四季 ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集《四季》 Op,8 |
チケット | 全席指定:S席5,000円 A席3,000円 学生半額 |
お問い合わせ |
サラマンカホールチケットセンター TEL:058-277-1110 |