
<7月27日 北海道・札幌コンサートホールKitara/7月29日 東京・サントリーホール> 「PMF」の3文字を見ると、「あぁ、今年も夏が来るな」と感じる「ららら♪クラブ」読者も多いのではないだろうか。1990年、世界的指揮者であり《ウエストサイド・ストーリー》などの大ヒット作を世に送り出した、作曲家のレナード・バーンスタインによって創設された教育音楽祭、それがパシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)である。ウィーン・フィル、ベルリン・フィルのメンバーをはじめ、世界を代表する音楽家を教授陣に迎え、世界中からオーディションで選ばれた若手音楽家が札幌に集い、約1か月間研鑽を積む「PMFアカデミー」が本音楽祭の中核をなしており、アカデミー生により編成される「PMFオーケストラ」の実力も世界トップクラスを誇る。
そんな「PMFオーケストラ」が札幌を飛び出して、東京へやってくる。今回のプログラムはワーグナーとシューマン。ドイツ・ロマン派の王道だ。ワーグナーの初期の傑作《ローエングリン》より〈第1幕への前奏曲〉よってコンサートの幕が開く。シューマンのチェロ協奏曲 イ短調は、冒頭から幅広い音域を使ってチェロが朗々と歌い上げる姿が印象的。旋律美と構成美の双方を追求した作品のソリストを、イギリス出身の名手、スティーヴン・イッサーリスが務める。
プログラムの後半は、シューマンの交響曲第3番《ライン》。近年では、2024年1月からTBS系「日曜劇場」で放送されたテレビドラマ『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』に取り上げられたことで、さらに注目が高まっている作品だ。弦楽器だけでなく管楽器のパートもびっしりと書き込まれているため、指揮者のバランス感覚が問われる本作を、ドイツ音楽に造詣の深いマレク・ヤノフスキがどう聴かせてくれるか楽しみだ。リヒャルト・シュトラウスの交響詩《死と変容》は、若いころ病弱であった作曲者自身が自らの心境を音で描き出したもので、大編成のオーケストラを縦横無尽に走らせながら生と死の戦いを描き切っている。
ヤノフスキは当初、2020年のPMFに首席指揮者として出演が予定されていたが、COVID-19の影響で中止となったため、5年の時を経て待望のPMF初出演となる。
なお、7月27日(日)に札幌で開催されるガラ・コンサートでも、第2部では東京公演と同一の曲目が演奏される。第1部ではオルガン独奏や木管五重奏が聴けるとあって、一粒で二度おいしいコンサートだ。
<文・加藤新平>
公演名 | PMF GALAコンサート |
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日時 | 7月27日(日) 15:00開演(14:20開場) |
会場 | 札幌コンサートホールKitara 大ホール |
出演 |
【第1部】
[オルガン]ファニー・クソー 『パシフィック・クインテット』 PMF2017で出会った5人の音楽家たちによりベルリンで結成。ヨーロッパで活躍中の木管五重奏団 【第2部】 [指揮]マレク・ヤノフスキ [チェロ]スティーヴン・イッサーリス [管弦楽]PMFアメリカ(アメリカのメジャーオーケストラの首席奏者)、PMFオーケストラ |
プログラム |
ワーグナー:歌劇《ローエングリン》第1幕への前奏曲 シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 Op.129、交響曲第3番 変ホ長調 Op.97《ライン》 R.シュトラウス:交響詩《死と変容》Op.24 |
チケット | 全席指定:S席9,000円 A席7,000円 B席5,000円 U25割 各券種半額 |
詳細 | 詳細はこちらから |
お問い合わせ |
PMF組織委員会 TEL:011-242-2211 |
公演名 | PMFオーケストラ東京公演 |
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日時 | 7月29日(火) 19:00開演(18:00開場) |
会場 | サントリーホール |
出演 |
[指揮]マレク・ヤノフスキ [チェロ]スティーヴン・イッサーリス [管弦楽]PMFオーケストラ |
プログラム |
ワーグナー:歌劇《ローエングリン》第1幕への前奏曲 シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 Op.129、交響曲第3番 変ホ長調 Op.97《ライン》 R.シュトラウス:交響詩《死と変容》Op.24 |
チケット | 全席指定:S席9,000円 A席7,000円 B席5,000円 U25割 各券種半額 |
詳細 | 詳細はこちらから |
お問い合わせ |
PMF組織委員会 TEL:011-242-2211 |