
<7月9日 北海道・札幌コンサートホールKitara> 札幌の夏の風物詩といえば、全世界から音楽家が集う「パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌」(PMF)。プロの音楽家を目指す若者たちが、ウィーン・フィルの弦楽器奏者、ベルリン・フィルの管打楽器奏者、北米のメジャー・オーケストラで活躍する首席奏者、そして世界的な指揮者のもとで室内楽とオーケストラの研鑽を積み、演奏を披露する……という、国際教育音楽祭だ。
そのオープニング・ナイトが、きたる7月9日(水)、札幌が世界に誇るコンサートホール「Kitara」で開催される。PMFの講師を務めるウィーン・フィル、ベルリン・フィルのメンバーで構成された「PMFヨーロッパ(PMFウィーン/ベルリン)」と、若手音楽家によるPMFオーケストラが共演する。
まずPMFベルリンとPMFオーケストラがコラボレーションして披露するのは、PMFの生みの親であるレナード・バーンスタインの名曲、《キャンディード》より〈序曲〉。コミカルでキャッチ―な作品だが、実は耳で聴くよりも、かなり複雑に書かれている作品でもある。
続いて、アンドリュー・ベイン、シュテファン・ドール、福川伸陽、サラ・ウィリスをソリストに迎え、PMFウィーンとPMFオーケストラがタッグを組んで披露するのは、シューマンの《4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュトゥック》 O p.86。4本のホルンとオーケストラのための協奏曲であり、祝祭的な雰囲気に満ちているが、とにかく4つのホルン・パートがどれも難しい! それゆえに、演奏には世界トップクラスのホルン奏者4名が必要なため、実演に接する機会が少ない作品だ。
充実したプログラムを1時間で駆け抜ける本公演のタクトを、カリーナ・カネラキスが執る。2012年にコンダクティング・アカデミー生としてPMFに参加した彼女が、13年の時を経て、客演指揮者としてPMFに帰ってくる。オーケストラのヴァイオリニストとして活躍したのち指揮者に転向し、現在はオランダ放送フィルハーモニー、ロンドン・フィルハーモニーの首席客演指揮者を務めるカネラキスのPMF凱旋公演、大いに期待したい。
<文・加藤新平>
公演名 | PMF2025 オープニング・ナイト |
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日時 | 7月9日(水) 18:30開演(17:30開場) |
会場 |
札幌コンサートホールKitara 大ホール |
出演 |
[指揮]カリーナ・カネラキス [管弦楽]PMFヨーロッパ(PMFウィーン/PMFベルリン)、PMFオーケストラ [ホルン]アンドリュー・ベイン、シュテファン・ドール、福川伸陽、サラ・ウィリス |
プログラム |
バーンスタイン:《キャンディード》より〈序曲〉 シューマン:4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック ニ長調 Op.86 ほか |
チケット | 全席指定:2,000円 U25割1,000円 |
お問い合わせ |
PMF組織委員会 TEL:011-242-2211 |