
<7月5日 福岡・北九州市立響ホール> 6歳でモスクワの中央音楽学校に入学し、モスクワ音楽院卒業後は名教師として知られるエリソ・ヴィルサラーゼのもとで研鑽を積んできたアレクサンドル・メルニコフは、1989年のロベルト・シューマン国際音楽コンクール、1991年のエリザベート王妃国際コンクールをはじめ、数多くのコンクールで目覚ましい成果を挙げてきた、21世紀のロシアを代表するピアニストのひとりである。ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、BBCフィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団などの世界的なオーケストラの共演から、ソロ・リサイタルまでその活動の幅は広いが、なんといってもメルニコフを特徴づけている要素は「室内楽に強い」ことだろう。ナタリヤ・グートマン、ユーリー・バシュメット、ワディム・レーピン、そして現在デュオを組んでいるイザベル・ファウスト……彼の共演相手にも錚々たる顔ぶれが並ぶ。
本公演では、2015年に桐朋学園在学中に結成された「クァルテット・インテグラ」が、メルニコフと待望の初共演を果たす。第71回ARDミュンヘン国際音楽コンクール 弦楽四重奏部門第2位&聴衆賞受賞、バルトーク国際音楽コンクール第1位など、その実力は折り紙付きだ。
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第16番 Op.135は、作曲者が最後に完成させた弦楽四重奏曲で、第4楽章冒頭に哲学的な歌詞を添えた旋律が書かれていることで知られる(もっとも、この旋律は省略して演奏されることがほとんどだが)。
ブラームスの《7つの幻想曲集》Op.116は、1892年に完成されたピアノ小品集。暗い情熱と透明感のある響きが交錯する。
メルニコフとクァルテット・インテグラが共演する、ブラームスのピアノ五重奏曲 Op.34は、作曲者にとって唯一のピアノ五重奏曲で、交響曲第1番と同じく完成までに紆余曲折があった作品だ。ピアノと弦楽四重奏が冒頭からエネルギー全開の作品とあって、どんな化学反応が起きるか大いに期待したい。
<文・加藤新平>
公演名 | アレクサンドル・メルニコフ[ピアノ]× クァルテット・インテグラ[弦楽四重奏] |
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日時 | 7月5日(土) 15:00開演(14:00開場) |
会場 |
北九州市立響ホール |
出演 |
[ピアノ]アレクサンドル・メルニコフ [弦楽四重奏]クァルテット・インテグラ |
プログラム |
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番 Op.135 ブラームス:7つの幻想曲集 Op.116(ピアノ・ソロ) ブラームス:ピアノ五重奏曲 Op.34 |
チケット | 全席指定:S席5,500円 A席4,500円 25歳以下(A席)2,500円 |
お問い合わせ |
響ホール音楽事業課 TEL:093-663-6661 |